コンテナを使わずに最初の100個の商品を米国へ送る方法
更新日
米国で販売を始めるのに、コンテナ1本分の貨物は必要ありません。このガイドでは、米国へ小口輸送する3つの現実的な方法を比較し、箱の数にかかわらず必要になる通関、関税、FDAの手続きを説明します。
最初の出荷が少量でよい理由
米国への進出はコンテナから始まると考える輸出企業は少なくありません。実際には、米国のバイヤーからの初回注文、サンプル一式、アマゾンやShopifyストア向けのテスト用ロットは、数箱のカートンか1〜2パレットに収まることがよくあります。何が売れるかわからないうちにコンテナを満たすと、何か月も動かないかもしれない在庫、運賃、保管に費用を払うことになります。
米国への小口輸送なら、リスクにさらす資金を抑えながら学べます。パッケージが輸送に耐えるか、税関が商品をどう分類するか、実際にいくらの関税を払うか、バイヤーがどう反応するかです。米国での最初のテストの予算全体を検討中であれば、ガイド米国で食品をテストするのにかかる費用に費用項目をまとめています。その多くは食品以外の商品にも当てはまります。
ただし、少量だから簡単というわけではありません。商業貨物はすべて米国の税関を通り、食品などの規制対象の商品はFDAの手続きも経ます。以下では、まず輸送手段の選び方を、次にどの手段にも伴う規則を説明します。
国際宅配便、航空貨物、LCL:3つの選択肢
コンテナ1本に満たない貨物では、通常次の3つの手段から選びます。
- 国際宅配便:DHL、FedEx、UPSなどのインテグレーター(国際エクスプレス会社)がカートンを集荷し、空輸し、ドア・ツー・ドアで配達します。通関も通常は自社のネットワーク内で行います。
- 航空貨物:フォワーダーが貨物便または旅客便のスペースを予約します。商品は空港から空港へ運ばれ、米国で輸入申告、引き取り、配送が必要になります。
- LCL海上輸送(コンテナ1本に満たない混載貨物):お客様のカートンやパレットは、他の荷主の貨物と1つのコンテナを共有します。出発地で混載され、海上輸送され、米国のコンテナフレートステーション(CFS)で再び仕分けられてから配送されます。
| 輸送手段 | 費用を左右するもの | 通関の扱い | 向いているもの |
|---|---|---|---|
| 国際宅配便 | 課金重量(実重量と容積重量の大きいほう)、届け先、サービスレベル、各種追加料金 | 通常は運送会社が通関し、関税、税金、自社の手数料を請求 | 急ぎで必要なサンプルや、軽いカートン数箱 |
| 航空貨物 | 課金重量、出発地と到着地での取り扱い、通関手数料、空港からの配送 | 輸入者(IOR)のために通関業者が輸入申告を手配 | 期限のある、比較的高価な商品のカートン数箱や1パレット |
| LCL海上輸送 | 容積(重いほうが大きければ重量)、出発地と到着地の固定費、仕分け、配送 | 通関業者が輸入申告を手配。船積み前に輸入者セキュリティ申告(ISF)が必要 | かさばる商品や重い商品、1パレット以上で、時間に余裕があるもの |
国際宅配便は最も速く予約も簡単ですが、重量と容積が増えると高くなります。LCLは最も時間がかかり関係者も多いものの、量が増えるにつれてカートン1箱あたりの費用は通常下がります。航空貨物はその中間です。どの場合でも最安になる手段はないため、次のステップとして自社のカートンリストで比較します。
重量、容積、価額で選ぶ方法
誰かに見積もりを依頼する前に、4つのことを書き出してください。カートンの数、各カートンの寸法と総重量、商業価額の合計、米国に商品が届いている必要がある日付です。この4つで、選択のほとんどが決まります。
- 国際宅配便
- 少数で軽いカートン
- サンプルや急ぎの在庫
- ドア・ツー・ドアで予約が簡単
- 航空貨物
- カートン数箱か1パレット
- 1キロあたりの価額が高い
- 決まった期限がある
- LCL海上輸送
- かさばる商品や重い商品
- 1パレット以上
- 到着日に余裕がある
重量と容積
航空と国際宅配便の料金は課金重量で決まるため、軽くてもかさばる商品(枕、パッケージ資材、ギフトボックスなど)は、実重量から想像するよりはるかに高くなることがあります。LCL海上輸送は主に容積で料金が決まるため、密度が高く重い商品(陶磁器、瓶詰め、タイル、缶詰など)は海上輸送のほうが理にかなうことが多くあります。寸法は推測ではなく実際のカートンで測ってください。小さな誤差もすべてのカートンで重なれば、見積もりが変わります。
価額
商業価額は、関税と輸入申告の種類に影響します。価額が$2,500以下の商業貨物は一般に簡易輸入申告を利用でき、それを超える場合は一般に正式輸入申告と通関保証が必要です。基準額を下回るように1つの注文を複数の箱に分けるのは戦略になりません。税関は貨物と取引全体を見ており、解決するより多くの問題を生むおそれがあります。
時間と総費用(ランデッドコスト)
見積もりは港から港ではなく、ドア・ツー・ドアで比較してください。安い海上運賃も、出発地の費用、仕分け、通関手数料、関税、各種手数料、港からの配送を加えると、それほど魅力的でなくなることがあります。各業者に同じカートンリストで同じ範囲の見積もりを依頼し、含まれない費用を尋ねてください。
米国への小口輸送でも通関は必要
輸送手段によって変わるのは書類を誰が扱うかであって、書類が必要かどうかではありません。米国への商業輸入にはすべて、次のものが必要です。
- 輸入者(IOR):輸入申告、正しい分類と価額、関税の支払いに責任を負う当事者です。海外の会社でも通常は自社が輸入者(IOR)になることができ、その場合は一般に認可通関業者を通じて行います。米国の倉庫の住所に送っても、その倉庫がお客様の輸入者になるわけではありません。
- 輸入申告:$2,500以下の商業貨物は簡易輸入申告、それを超える場合は正式輸入申告で、正式輸入申告には通関保証(単発または継続)が必要です。
- 正しい分類と関税:関税率は、米国関税率表(HTSUS)での商品の分類と原産国によって決まります。追加関税が課されたり変更されたりすることがあるため、米国での価格を決める前に最新の税率を確認してください。輸入申告には商品処理手数料(MPF)もかかります。
- 海上輸送の場合はISF:輸入者セキュリティ申告(ISF、通称「10+2」)は、LCLを含め、海外の港で貨物が船積みされる前に提出する必要があります。
価額が低くても、もはや関税は免除されません。米国の少額貨物に対する関税免除(デミニミス)は、2025年8月29日からすべての国について停止され、2026年にCBPがこの停止を無期限とし、法律により2027年7月1日に廃止される予定です。数箱だけの最初の出荷でも、関税を予算に入れてください。
国際宅配便の場合、通常は運送会社が荷物を通関し、関税と自社の手数料を、取引条件で指定された側に請求します。玄関先で箱が受取拒否にならないよう、誰が支払うかをバイヤーと事前に決めておいてください。航空貨物とLCLでは、誰かが輸入申告を手配する必要があります。輸送の一環として、アバンロが通関手続きに対応します。関税、税金、政府関連の費用は別途、実費でのご請求です。
食品などの規制対象の商品には、FDAの手続きも必要
食品の小さな箱1つでも、コンテナと同じFDAの枠組みを通ります。出荷前に次の点を確認してください。
- 施設登録:米国で消費される食品を製造、加工、包装、保管する施設はFDAへの登録が必要で、海外の施設は米国代理人(U.S. Agent)を指定しなければなりません(FDAの食品施設登録)。
- Prior Notice(事前通知):FDAは、国際宅配便や郵便を含むあらゆる輸送手段の商業貨物について、食品の貨物ごとに到着前のPrior Noticeの受領を求めています(FDAのPrior Noticeのガイダンス)。
- FSVP輸入者:FSVP輸入者は、DUNS番号を含めて輸入申告時に特定されなければならず、海外のサプライヤーが米国の安全基準を満たしていることを検証する必要があります。
- ラベル:米国で販売する小売用の商品には、英語表記、米国形式の栄養成分表示(Nutrition Facts)、原材料、主要な食物アレルゲン、米国の単位での内容量、製造者・包装者・販売者の名称と所在地が必要です(FDAの食品表示)。
貨物はFDAの検査やサンプリングのために留置されることがあり、商品や原産国によっては審査がより厳しくなります。低酸性缶詰食品と酸性化食品には、追加の届出要件があります。運送会社も食品、液体、その他の制限品について独自のルールを設けている場合があるため、予約前に運送会社に確認してください。貨物単位の手続きの全体を順を追って知りたい場合は米国へ食品を輸入する方法を、包装食品が到着した後のアバンロの対応は食品の納品準備をご覧ください。
化粧品、サプリメント、電子機器、子ども向け製品、電池を含むものなど、その他のカテゴリーにも、それぞれの機関の規則や運送会社の制限があります。国境でではなく、商品が出発する前に確認してください。
カートンの梱包とラベル
少量の貨物は、集荷、ハブでの仕分け、混載、荷降ろし、配送と、多くの人の手を経ます。しっかりした梱包は商品を守り、受け入れも早くします。最初のカートンを封をする前に、次のリストを確認してください。
- 商業インボイス:売り手と買い手、輸入者(IOR)、各商品のわかりやすい説明(型番だけでなく、何であり何でできているか)、数量、単価、合計金額、原産国、取引条件。
- パッキングリスト:カートンごとに、SKU、数量、正味重量と総重量、寸法を記載します。インボイスとカートンに完全に一致している必要があります。
- 原産国表示:輸入品には一般に、英語で原産国を表示する必要があり、通常は商品本体か小売用パッケージに表示します。
- カートンラベル:荷送人、荷受人と配送先住所、カートン番号(「1 of 6」)、SKUと数量を、少なくとも2面に表示します。
- 丈夫なカートン:重い商品や割れ物には二重構造のカートンと内部の緩衝材を使い、中で動くものがないようにします。LCLの場合は、カートンをパレットに積んでストレッチフィルムで巻き、ひとまとまりで運ぶことも検討してください。
- 写真:集荷の前に、梱包した各カートンと封をした貨物全体を撮影します。破損して届いた場合の記録になります。
商品を後でアマゾンや小売業者に送る場合でも、輸出前にすべてのバーコードを貼り終えておく必要はありません。商品バーコードやFNSKUラベルは、米国でラベル貼付や納品準備のサービスを使って貼ることができ、ラベルに誤りがあっても商品を送り返さずに直せます。
最終的な届け先ではなく、米国の受け入れパートナーに送る
最初の注文をバイヤーやアマゾンのフルフィルメントセンターに直接送りたくなるものです。しかし最初の出荷では、米国に受け入れ先があるほうが通常は管理しやすくなります。届いたものを誰かが確認し、問題を写真で報告し、次のステップの準備が整うまで在庫を保管してくれます。
- お客様 梱包と書類 インボイス、パッキングリスト、カートンラベル、原産国表示
- お客様と運送会社 出荷と申告 国際宅配便、航空、LCL。海上はISF、食品はPrior Notice
- 通関業者または運送会社 通関 輸入者(IOR)のために輸入申告を行い、関税を支払う
- 米国のパートナー 受け入れと検品 パッキングリストと数量を照合し、破損は写真で記録
- 米国のパートナー 納品準備と転送 ラベル、納品準備、保管を経て、アマゾン、バイヤー、顧客へ
これが最も重要なのはアマゾンの場合です。2026年1月1日以降、アマゾンは米国のFBAプログラム向けの納品準備と商品ラベル貼付のサービスを提供していないため、商品は納品準備とラベル貼付を済ませて到着する必要があります。また、アマゾンはお客様の輸入者(IOR)にはなりません。その流れは、ガイド海外からアマゾンFBAへ在庫を送る方法で順を追って解説しています。すべてをアマゾンに送らず一部の在庫を米国の倉庫に置くべき場合については、アマゾンFBA・FBM・3PLの違いで説明しています。
ロサンゼルス港・ロングビーチ港に近いカリフォルニア州オレンジ郡のアバンロの施設には、最低数量がありません。1箱からコンテナ1本まで対応します。最初の出荷は、受け入れと検品(パレット受け入れは1パレットあたり$15から)を経て、保管(カートン保管は1カートンあたり月額$8から)し、アマゾンFBA納品準備(標準の納品準備は1点あたり$1.20から)を行い、転送と出荷で送り出すか、ネット通販のフルフィルメントで1件ずつの注文として出荷できます(ピッキング・梱包は1注文あたり$4.50から)。基本料金はすべて料金ページに掲載しています。
仮の例。ある生活雑貨ブランドが、最初の100個を米国へ送るとします。陶器のマグカップを詰めたカートン6箱で、米国のいくつかのセレクトショップと自社のオンラインストアで販売します。
カートンはサイズの割に重いため、ブランドは同じカートンリストで国際宅配便、航空、LCLの見積もりを取り、ドア・ツー・ドアで比較します。米国での価格を決める前に通関業者とHTSUSの分類と現在の関税を確認し、各ショップではなく受け入れパートナーに出荷し、オンライン注文用に在庫の一部を保管します。商品ラベルは到着時に確認され、数量がパッキングリストと一致した時点でショップ向けの注文が出荷されます。
最初の小口輸送でよくある失敗
- 価額が低ければ関税はかからないと思い込む。デミニミスはもう利用できないため、関税と手数料を見込んでください。
- 輸入者(IOR)をはっきりさせない。誰も指定されていなければ、それを整理する間、貨物が税関で止まることがあります。
- あいまいな商品説明。インボイスに「ギフト」や「サンプル」とだけ書くと、問い合わせや遅れを招きます。商品が何であり、何でできているかを記載してください。
- 食品のFDAの手続きを忘れる。Prior Notice(事前通知)は国際宅配便や郵便の貨物にも適用され、施設が未登録であれば箱の数にかかわらず問題になります。
- 総費用ではなく運賃で比較する。少量の貨物の実際の費用を決めるのは、固定費、通関手数料、関税、配送です。
- 納品準備をしていない在庫をアマゾンに送る。2026年1月1日以降、アマゾンは商品が納品準備とラベル貼付を済ませて到着することを求めています。
- 米国で受け入れる人がいない。誰も予期していない配達は受取拒否になったりターミナルに置かれたりして、保管料が加算されることがあります。貨物が滞留してしまった場合は、貨物トラブル対応が次の手を検討するお手伝いをします。
最初の出荷を計画する
まずカートンリストと期限を確認し、誰が輸入者(IOR)になるかを決め、商品にFDAやその他の機関の手続きが必要かを確認し、合う輸送手段についてドア・ツー・ドアの見積もりを取ってください。そのうえで米国の受け入れ先を決めれば、商品はバイヤー、アマゾン、顧客へ向かう前に安心して届く場所を確保できます。
カートンリスト、商品、届け先をお送りください。米国での出荷、通関、受け入れの計画をお手伝いします。
米国への最初の出荷の見積もりを依頼このガイドは一般的な情報であり、法律上または通関上の助言ではありません。関税率、輸入申告の規則、各機関の要件は変わるため、出荷前に自社の商品と貨物について確認してください。