米国へ食品を輸入する方法:FDA、通関、FSVP、関税を解説
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米国へ食品を輸入するには、2つの別々の仕組みの許可が必要です。食品そのものを見るFDAと、貨物を見る米国税関・国境警備局(CBP)です。このガイドでは、各手順を実際に起こる順番に沿って説明し、誰が担当するのか、最初の貨物がどこでつまずきやすいのかを解説します。
このガイドで扱うのは、食品輸入の実務です。工場を出てから米国で貨物がリリースされるまでの、申告、役割、確認です。米国市場に参入するかどうか、どう参入するかをまだ検討中であれば、まずバイヤー、販路、戦略を扱った米国で食品を販売する方法をお読みください。商品を動かす準備ができたら、このガイドに戻ってきてください。
2つの仕組み:FDAと税関
すべての食品の輸入は、2つの関門を同時に通過します。
- FDAは、食品が合法的に輸入できるかを確認します。製造した施設が登録されているか、Prior Notice(事前通知)で貨物が届け出られているか、輸入者が供給業者の検証(FSVP)の責任を引き受けているか、ラベルが米国の規則に沿っているか。
- CBPは、貨物を商品として確認します。輸入者(IOR)は誰か、商品は何か、どこから来たのか、価額はいくらか、どの関税と手数料がかかるか。
2つはつながっています。輸入申告のデータはFDAと共有され、税関がリリースするはずの貨物でもFDAが留置することがあります。一方の関門を通過しても、もう一方を通過したことにはなりません。
最初に押さえておきたい例外があります。FDAはほとんどの包装食品とペットフードを管轄しますが、食肉、家きん肉、一部の卵製品は米国農務省食品安全検査局(FSIS)、酒類はアルコール・たばこ税貿易局(TTB)の管轄で、異なる輸入ルールに従います。以下はすべて、FDAの管轄の商品を前提としています。
米国へ食品を輸入する手順を順番に
最初の貨物の前に一度だけ行う手順もあれば、貨物ごとに繰り返す手順もあります。作業の大半は、順番を正しく守ることです。
- 生産の前 一度だけ準備する 管轄機関を確認し、施設を登録し、米国代理人を指定し、ラベルを確認する。
- 予約の前 役割を決める 輸入者(IOR)とFSVP輸入者を選び、カスタムズボンドを手配する。通関はアバンロが対応する。
- 船積みの前 ISFを提出する 海上輸送のみ。海外で貨物が船積みされる前に提出する。
- 到着の前 Prior Notice(事前通知)を提出する 食品が届くことをFDAに知らせる。すべての貨物と輸送手段で必要。
- 到着時 輸入申告 輸入申告を行い、関税と手数料が発生し、FDAが申告データを審査する。
- 通関の後 リリースと配送 貨物がリリースされ、引き取られて米国の倉庫に配送される。
1. 管轄機関と商品のカテゴリーを確認する
商品がFDAの管轄であることを確認し、追加のルールがあるカテゴリーに該当しないかを調べます。たとえば低酸性缶詰食品や酸性化食品には、FDAへの追加の登録と製造工程の届出が必要で、出荷の前に済ませておかなければなりません。
2. 施設を登録し、米国代理人を指定する
米国で消費される食品を製造、加工、包装、保管する施設はFDAへの登録が必要で、海外の施設は米国代理人(U.S. Agent)を指定しなければなりません。登録は2年ごと、偶数年の10月1日から12月31日の間に更新します(FDAの食品施設登録)。登録が失効している場合は、出荷を計画する前に対応してください。
3. 印刷の前にラベルを確認する
米国で販売する食品には、米国の形式の栄養成分表示(Nutrition Facts)、原材料表示、主要な食物アレルゲンの表示、米国の単位での内容量(メートル法の併記も可)、製造者・包装者・販売者の名称と所在地を記載した英語のラベルが必要です(FDAの食品表示)。ラベルの問題は、海を渡ったパレットの上で直すより、デザインの段階で直すほうがはるかに安く済みます。
4. FSVP輸入者を特定する
海外供給業者検証プログラム(FSVP)のもとで、FSVP輸入者は、海外の供給業者が米国の食品安全基準を満たしていることを検証しなければなりません(FDAのFSVP規則)。FSVP輸入者は一般的に、輸入時点の米国の所有者または荷受人です。いない場合は、海外の所有者または荷受人の米国の代理人または代表者を書面で指定する必要があります。FSVP輸入者は、DUNS番号を含めて輸入申告の時点で特定されなければなりません。ブランドに米国法人がない場合、これは重要な判断のひとつです。選択肢は米国法人なしで米国の食品市場に参入する方法で解説しています。
5. 輸入者(IOR)、通関業者、カスタムズボンドを決める
すべての輸入には、輸入申告に法的な責任を負う輸入者(IOR)と、輸入申告そのものが必要です。海外の企業も通常は自ら輸入者になることができ、多くの場合は認可通関業者を通じて手続きします。正式輸入申告には、シングルエントリーボンドか継続ボンドのカスタムズボンドが必要です(詳しくは下記の関税の節で説明します)。
6. 海上輸送ではISFを提出する
海上輸送の貨物には、輸入者セキュリティ申告(ISF、通称「10+2」)が必要で、海外の港で貨物が船積みされる前に提出します。通常は通関業者かフォワーダーが輸入者に代わって提出するため、コンテナやLCL(混載便)の予約が締め切られる前に、売り手、買い手、製造者、原産地、関税番号などのデータを用意しておく必要があります。航空貨物とクーリエではISFは使いません。
7. Prior Notice(事前通知)を提出する
FDAは、クーリエや郵便を含むあらゆる輸送手段の商業貨物について、食品の貨物が到着する前にPrior Notice(事前通知)を受け取る必要があります(FDAのPrior Notice)。確認番号は貨物に添えて引き継がれます。Prior Noticeの漏れや誤りは、食品が留置される理由のうち、最も避けやすいもののひとつです。
8. 輸入申告を行い、関税と手数料を支払う
商品が到着すると、商業インボイス、パッキングリスト、輸送書類、商品の分類をもとに、CBPへの輸入申告が行われます。関税と手数料の支払いが発生し、FDAが申告データを審査します。
9. FDAの審査と、場合によっては検査やサンプル採取
FDAは貨物の通過を認めるか、追加の情報を求めるか、検査やサンプル採取のために留置することがあります。商品や原産地によっては、ほかより審査が厳しくなります。
10. リリースと配送
CBPとFDAの両方が貨物をリリースすると、引き取りと配送ができます。この区間は事前に計画しておきましょう。配送を予定し、パッキングリストを受け取り、商品を受け入れて検品できる倉庫があれば、港やターミナルでの時間と保管料を節約できます。
各手順の担当者と時期
初めて輸入する企業の多くは、手順の担当者が決まっていないために時間を失います。運送を予約する前に、この表を使ってすべての行に担当者を割り当ててください。
| 手順 | 通常の責任者 | 時期 |
|---|---|---|
| 管轄機関とカテゴリーの確認 | ブランドまたは輸出企業 | 商品開発や輸出計画の前 |
| 施設登録と米国代理人 | 施設の所有者と、所有者が指定する米国代理人 | 出荷の前。2年ごとに更新 |
| ラベルの適合 | ブランドまたは輸出企業 | パッケージの印刷の前 |
| FSVPの検証 | FSVP輸入者(米国の所有者または荷受人、または指定された米国の代理人や代表者) | 輸入申告の前。輸入申告のたびに特定 |
| 輸入者(IOR)とカスタムズボンド | 輸入者。多くの場合は通関業者を通じて | 貨物の到着前 |
| ISF(海上輸送のみ) | 輸入者。通常は通関業者かフォワーダーを通じて | 海外の港での船積みの前 |
| Prior Notice(事前通知) | 多くの場合は通関業者かフォワーダー(データは輸出企業から) | 到着の前。貨物ごと |
| 輸入申告、関税、手数料 | 輸入者。申告は認可通関業者が行う | 到着時 |
| FDAの留置への対応 | 輸入者と通関業者(書類は輸出企業から) | 留置の通知後すぐ |
| 引き取りと配送 | フォワーダー、トラック運送会社、または米国での業務パートナー | リリースの後 |
輸送の一環として、アバンロが通関手続きに対応します。ロサンゼルス港・ロングビーチ港に近いカリフォルニア州オレンジ郡の当社施設で商品を受け入れることができ、お客様、お客様が指定する米国の輸入者、または条件を満たす場合はアバンロが、輸入者(IOR)となります。
関税、手数料、カスタムズボンド
国境で支払う金額は、3つの要素で決まります。
- 分類。すべての商品には、米国関税率表(HTSUS)での分類があります。分類によって基本の関税率が決まるため、コードを誤れば総費用(ランデッドコスト)も誤り、後で問題になることもあります。
- 原産国。同じ商品でも、どこで作られたかによって関税の扱いが異なることがあります。特定の原産地や商品には追加関税が課されることがあり、変更もされるため、米国のバイヤー向けに価格を決める前に、自社の商品の最新の税率を確認してください。
- 手数料。輸入申告には商品処理手数料がかかります。通関業者の手数料や、港・ターミナルの費用はこれとは別にかかります。
正式輸入申告と簡易輸入申告。価額が$2,500を超える商業貨物には、一般的に正式輸入申告(フォーマルエントリー)が必要で、カスタムズボンドが求められます。シングルエントリーボンドは1回の貨物をカバーし、継続ボンドは一定期間のすべての輸入申告をカバーするもので、通常は定期的に輸入するようになってから検討するのが合理的です。$2,500以下の貨物は、一般的に簡易輸入申告(インフォーマルエントリー)を利用できます。どちらの場合も、FDAの要件はすべて適用されます。
関税率は固定の数字ではなく、変わり続ける前提条件として扱ってください。米国のバイヤーに価格表を送るたびに、自社の商品、分類、原産地の税率を確認しましょう。米国で食品をテストする費用では、最初の貨物にかかるほかの費用の中で関税がどこに位置するかを示しています。
食品の貨物が留置される理由
留置は判決ではありません。商品が動く前に、FDAやCBPがより詳しく確認したいという意味です。最初の食品の貨物で起きる留置のほとんどは、限られた原因にさかのぼります。
- Prior Notice(事前通知)の問題:提出漏れ、提出の遅れ、または貨物と一致しない内容。
- 施設登録:製造施設が登録されていない、または登録が更新されていない。
- FSVP輸入者が特定されていない:輸入申告の時点でFSVP輸入者の記載がない、またはDUNS番号などの情報が欠けている。
- ラベルの問題:米国の形式の栄養成分表示がない、主要なアレルゲンが表示されていない、英語の表記がない、内容量に米国の単位がない。
- 書類の不一致:インボイス、パッキングリスト、ISF、Prior Noticeで商品の記載が異なる。
- 審査が厳しい商品や原産地:一部の食品や原産地は、検査やサンプル採取の対象になる頻度が高い。
- カテゴリーごとの届出の漏れ:たとえば、低酸性缶詰食品や酸性化食品に必要な製造工程の届出。
- 通過を認められる
- 追加の審査なし
- その後、税関のリリースへ
- 商品は配送へ
- 審査のため留置
- 検査、サンプル採取、情報の要求
- 漏れのない書類で迅速に対応
- 保管料はかかり続ける
- 輸入拒否
- 問題を解決できなかった
- そのままの状態では輸入できない
- 選択肢が大きく狭まる
すでに貨物が止まっている場合は、スピードが重要です。貨物トラブル対応は、米国向けの貨物が留置、受取拒否、滞留となった場合にお手伝いします。リリースを保証することはできませんが、明確で漏れのない回答が最善の可能性につながります。
少量貨物で変わったこと
長年、多くの輸出企業はサンプルや少量のテスト注文を少額の荷物として送り、関税なしで届くと考えてきました。それはもう通用しません。少額貨物に対する米国の少額免税制度(デミニミス)は、2025年8月29日からすべての国に対して停止され、CBPは2026年にこの停止を無期限とし、法律により2027年7月1日に廃止される予定です。実際には、少量の貨物も、少額だというだけでは一般的に関税が免除されなくなりました。
変わっていないことが2つあります。少量の食品の貨物にも、クーリエや郵便を含めてPrior Notice(事前通知)が必要です。そして、HTSUSに基づく関税を伴う輸入申告も引き続き必要です。最初の出荷がコンテナではなく数カートンであれば、コンテナなしで最初の100個を米国へ送る方法で、クーリエ、航空貨物、LCLを比較してください。
例:ジャムの最初の1パレット
米国外の家族経営のジャムメーカーを想定します。最初の混載パレットを、LCLの海上輸送でカリフォルニアの倉庫に送ります。米国法人はありません。
生産の前:ジャムがFDAの管轄であることを確認し、施設登録が有効であることを確かめ、米国代理人を指定します。裏面のラベルを、米国の栄養成分表示、アレルゲンの表示、グラムとオンスの併記、メーカーの名称と住所を入れてデザインし直します。
予約の前:通関業者を通じて自ら輸入者になることを決め、パレットの価額から正式輸入申告が必要になるためシングルエントリーボンドを手配し、FSVP輸入者となる米国の代表者を書面で指定します。
船積みの前:メーカーが提供したデータで、フォワーダーがISFを提出します。到着の前:Prior Notice(事前通知)を提出し、確認番号を関係者全員と共有します。
到着時:通関業者が輸入申告を行い、ジャムの分類と原産地に応じた税率で関税と手数料が支払われ、FDAが申告を審査します。リリースされると、パレットはトラックで倉庫に運ばれ、パッキングリストと照合して受け入れられ、バイヤーからの注文が入るまで保管されます。
この例に特別なことは何もありません。スムーズな最初の輸入と留置される輸入の違いは、たいてい、商品が工場を出る前に各手順の担当者が決まっていたかどうかです。
よくある失敗
- ラベルを確認する前にパッケージを印刷する。到着後のラベル貼り替えは時間がかかり、FDAに指摘されたコンプライアンスの問題では、必ずしも可能とは限りません。
- 通関業者がFSVPも担当すると思い込む。輸入申告を行うことと供給業者を検証することは、別々の責任です。誰かがFSVPの役割を書面で引き受けていることを確認してください。
- 登録を失効させる。偶数年の更新を忘れると、何か月も前から計画していた出荷が止まることがあります。
- 前年の関税率で価格を決める。追加関税は変わります。価格表を出すたびに確認してください。
- サンプルを贈答品や少額の荷物として送る。商業用のサンプルにもPrior Notice(事前通知)は必要で、少額免税制度はもう近道になりません。
- リリース後の計画がない。ターミナルに置かれたままの商品には費用がかさみます。船が着く前に、配送と保管を手配しましょう。
- 書類が一致しない。同じ商品がインボイス、ISF、Prior Noticeで3通りに記載されていると、問い合わせを招きます。
最初の食品輸入を計画する
運送を予約する前に、上の表のすべての手順の担当者を書き出してください。誰が登録し、誰がラベルを確認し、誰が輸入者で、誰がFSVP輸入者で、誰がISFとPrior Notice(事前通知)を提出し、リリース後に商品がどこへ行くのか。空欄の行があれば、そこが貨物の最も止まりやすい場所です。
アバンロは海外セラーとともに、まさにこの引き継ぎを担っています。輸送の一環として、アバンロが通関手続きに対応します。その後、カリフォルニアの当社施設で食品の納品準備として食品の受け入れ、保管、準備を行います。次の輸送区間に向けたカートンラベルやバーコードラベルの貼付も含みます。施設登録、米国代理人のサービス、FSVPなどの専門的な規制対応は専門の第三者が担当し、当社は必要なものを特定するお手伝いができます。
何を、どこから、どの輸送手段で送るかをお知らせください。
米国の通関の見積もりを依頼このガイドは一般的な情報であり、法律や規制に関する助言ではありません。要件は商品、原産地、貨物によって異なり、関税、税金、政府関連の費用は実費でお支払いいただきます。ブランド、ブランドが指定する米国の輸入者、または条件を満たす場合はアバンロが輸入者(IOR)となり、アバンロは通関や輸入許可を保証しません。