米国で食品をテストマーケティングする費用はいくらか
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米国の食品市場への参入費用は、1つの数字ではありません。いくつかの費用項目の組み合わせであり、最初のテストを慎重に計画すれば、その多くは規模を調整したり、先送りしたり、小さくしたりできます。
食品の輸出企業からは、米国市場への参入にいくらかかるのかとよく聞かれます。正直な答えは、「参入」が何を意味するかによる、です。全国規模のディストリビューターと契約し、コンテナを満載にし、大きな展示会に出展するのが1つの予算です。1つか2つの商品を少数のバイヤーに紹介し、売れるかどうかを確かめるのは、まったく別の予算です。
このガイドは後者、つまり最初に計画的に行うテストの、米国の食品市場参入の費用を扱います。想定される費用項目をすべて挙げ、一度きりの費用と継続的な費用を分け、どれを自社で管理できるかを示し、実際の見積もりを記入できるワークシートを紹介します。第三者の価格は、商品、原産国、業者、数量によって変わるため、記載していません。
最初のテストに専用の予算が必要な理由
テストの役割は、本格的な販売開始とは違います。販売開始はできるだけ多く売ることを目指します。テストは、いくつかの問いにできるだけ安く、早く答えることを目指します。米国のバイヤーは反応するか、価格は米国の店頭やメニューで通用するか、どのSKUが動くか、どんな懸念が出るか、再注文はあるか。
テストを販売開始のように予算化すると、答えがわかる前に使いすぎてしまいます。逆に予算を絞りすぎると、規則に沿ったラベルやサンプルなど、結果を左右するものを省いてしまいます。テストそのものの進め方は、規模を広げる前に25社の米国のバイヤーで商品をテストする方法で解説しています。このガイドでは、その費用を扱います。
米国での食品テストにかかる費用の項目
包装食品の最初のテストでは、ほぼすべての場合に同じ9つの費用項目が関係します。すべてが当てはまるわけではなく、すでに支払い済みのものもあるかもしれません。
1. 規制への対応
ほとんどの包装食品は米国食品医薬品局(FDA)の管轄です(食肉、家きん肉、一部の卵製品は米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)、酒類はアルコール・たばこ税貿易局(TTB)の管轄)。ほとんどの食品はFDAの承認を必要とせず、必要なのは規則への適合です。海外の製造者の場合、通常は次のものが必要です。
- 施設登録:食品を製造、加工、包装、保管する施設のFDAへの登録で、2年ごとに更新します。FDAの登録ページをご覧ください。
- 米国代理人(U.S. Agent):すべての海外施設が指定しなければなりません。通常は有料の第三者のサービスです。
- FSVP輸入者:海外供給業者検証プログラム(FSVP)に基づき、施設が米国の安全基準を満たしていることを検証する当事者です。米国のバイヤーや輸入業者がまだいない場合は、書面で指定する必要があることがあり、費用がかかる場合もあります。
- 追加の届出:低酸性缶詰食品と酸性化食品には、FDAへの追加の登録と製造工程の届出が必要です。
米国法人がない場合にこれらの役割を誰が担うかは、米国法人なしで米国の食品市場に参入する方法で解説しています。
2. ラベル
米国のラベルには、英語の表記、米国の形式の栄養成分表示(Nutrition Facts)、原材料、主要な食物アレルゲン、米国の単位での内容量(メートル法の併記も可)、製造者・包装者・販売者の名称と所在地が必要です。規則はFDAの食品表示のページに定められています。ここでの費用は、ラベルの確認、必要に応じた栄養分析、デザインの変更、そして新たな印刷か米国でのラベル貼り替えです。現在のパッケージにほかの問題がなければ、規則で認められる範囲で、販売前に米国の規則に沿ったシールを貼るほうが小さな第一歩になることがあります。アバンロはこうした作業をラベル貼付と食品の納品準備で行っています。
3. サンプル
バイヤーは購入の前に試食します。無償で提供する商品、バイヤーへのサンプルパックの送料、そしてサンプルを単なる荷物ではなく商品らしく見せるための包装を予算に入れてください。米国内からサンプルを送るほうが、1つずつ海外から送るより、通常はバイヤーにとって早く簡単です。サンプル発送のサービスなら、在庫を保管し、依頼に応じてサンプルパックを発送できます。
4. 国際輸送
運賃は、輸送手段(クーリエ、航空貨物、海上の混載便)、重量、容積、原産地、時期によって変わります。最初の少量の貨物では、運賃だけでなく総費用(ランデッドコスト)で輸送手段を比べてください。比較は米国への少量貨物のガイドで紹介しています。
5. 通関、関税、手数料
すべての輸入には、輸入者(IOR)と輸入申告が必要です。価額が$2,500を超える商業貨物には、一般的にカスタムズボンド(シングルエントリーまたは継続)を伴う正式輸入申告が必要で、$2,500以下の貨物は、一般的に簡易輸入申告を利用できます。海上輸送では、船積みの前に輸入者セキュリティ申告(ISF)も必要です。関税率は商品のHTSUSでの分類と原産国によって決まり、追加関税が課されたり変更されたりすることがあり、輸入申告には商品処理手数料もかかります。米国での価格を決める前に、最新の税率を確認してください。
価額が低いからといって、少量の貨物が関税なしで届くと見込まないでください。米国の少額免税制度(デミニミス)は、2025年8月29日からすべての国に対して停止され、CBPが2026年に無期限とし、法律により2027年7月1日に廃止される予定です。FDAは、クーリエを含むすべての商業用の食品貨物についてPrior Notice(事前通知)も求めています。手続き全体は米国へ食品を輸入する方法で解説しています。輸送の一環として、アバンロが通関手続きに対応します。関税と政府関連の費用は、常に実費で別途請求されます。
6. 米国での保管と取り扱い
通関後の商品には、待機する場所が必要です。受け入れ、検品、保管、そして注文やサンプルの依頼が来たときのピッキング・梱包です。1点あたりの金額は小さくても毎月かかるため、テストの期間が重要になります。受け入れと検品と保管をご覧ください。
7. バイヤーへのアプローチ
輸出企業が最も過小評価しがちな項目です。ターゲットリストの作成、バイヤーへの連絡、フォローアップ、試食の手配、最初の注文の対応には時間がかかります。それが自社の時間でも、従業員、ブローカー、サービス事業者の時間でも同じです。食品ブローカーは通常、成功報酬(コミッション)で働きます。ほかの事業者は、手数料、コミッション、またはその両方を請求します。何が含まれ、どの売上にコミッションがかかるのかを正確に確認してください。
8. 出張と展示会
バイヤー訪問や展示会への出展は役に立つことがありますが、ブース、出張、展示用の在庫の費用はすぐに膨らみます。最初のテストでは、結果が出てから出向くことを検討してください。
9. ディストリビューターと小売業者の費用
大手の食品スーパーチェーンはディストリビューターを通じて仕入れることが多く、棚代(スロッティングフィー)や販促費を求めることがあります。ディストリビューターはマージンを取り、マーケティング支援を期待することもあります。独立系小売店や専門店は直接仕入れることがあるため、最初のテストではこうした費用を避けられます。テストのうち直接のバイヤーを通じて行う部分が多いほど、初期段階でこうした費用に出会うことは少なくなります。
一度きりの費用、継続的な費用、注文ごとの費用
費用を3つのグループに分けると、テストの計画の立て方が変わります。一度きりの費用は、テストが成功してもしなくても一度支払います。継続的な費用は、待っている間もかかり続けます。注文ごとの費用は、実際に何かが起きたときにだけ発生します。
- 一度きり
- 施設登録と米国代理人の設定
- ラベルの確認とデザイン
- 最初の輸送と輸入申告
- サンプルの製造
- 継続的
- 米国での毎月の保管
- 米国代理人とFSVPのサービス
- アプローチとフォローアップの時間
- 継続ボンドの場合はカスタムズボンド
- 注文ごと
- ピッキング・梱包
- バイヤーへの国内配送
- 生まれた売上への販売手数料
- 新しい貨物ごとの関税
費用がどの列に入るかは、業者や契約によって異なる場合があります。
ですから、テストで何かが確かめられるまでは一度きりの費用を小さく抑え(SKUは10ではなく1つか2つ)、テストの期間を決めて、継続的な費用に終わりを設けましょう。
記入して使える予算ワークシート
この表をスプレッドシートにコピーし、見積もりの列を加え、自社の商品と原産国について業者から得た実際の数字を記入してください。空欄は残さず、該当する場合は「不要」や「支払い済み」と書き、確認したことがわかるようにしましょう。
| 費用項目 | 一度きりか継続的か | 何で決まるか | 小さく抑える方法 |
|---|---|---|---|
| FDA登録と米国代理人 | 最初に設定、その後は継続的 | 施設の数、代理人の業者 | 施設がすでに登録済みか確認する |
| FSVP輸入者 | 継続的 | 誰が輸入者になるか、供給業者の数 | 米国のバイヤーや輸入業者と早めに役割を決める |
| ラベルの確認と変更 | SKUごとに一度きり | SKUの数、栄養分析、印刷 | テストするSKUを絞る。認められる場合は規則に沿ったシールを使う |
| サンプル | 一度きり、配布の回ごとに繰り返し | バイヤーの数、サンプルの量、送料 | 米国内の在庫からサンプルを送り、バイヤーを慎重に絞る |
| 国際輸送 | 貨物ごと | 輸送手段、重量、容積、原産地、時期 | テストに必要な分だけ送り、総費用で輸送手段を比べる |
| 輸入申告、カスタムズボンド、手数料 | 貨物ごと | 申告の種類、貨物の価額、ボンドの種類 | 書類の整った貨物を少ない回数で送る |
| 関税と追加関税 | 貨物ごと | HTSUSでの分類、原産地、最新の関税 | 価格を決める前に正しく分類し、毎回税率を確認する |
| 受け入れと保管 | 継続的 | パレットまたはカートンの数、テストの期間 | 最初の貨物を小さくし、テストの期間を決める |
| 注文の取り扱いと国内配送 | 注文ごと | 注文の数、届け先、梱包のサイズ | バイヤーの注文量に合ったケース入数にする |
| バイヤーへのアプローチ | テスト期間中は継続的 | バイヤーの数、誰が担当するか、料金の仕組み | バイヤーのリストを決め、テストの期間を固定する |
| 出張と展示会 | イベントごとに一度きり | イベント、ブース、出張 | テストの結果が出るまで待つ |
| ディストリビューターと小売業者の費用 | 取り扱いや販促ごと | 販路、チェーンの規模、販促の計画 | 可能であれば直接のバイヤーから始める |
| 生産物賠償責任保険 | 継続的 | 商品、バイヤーが求める補償 | 保険に加入する前に、バイヤーの要件を確認する |
多くの予算で忘れられがちな1行を加えてください。想定外の事態に備える予備費です。たとえば、FDAの検査やサンプル採取で貨物が留置される、バイヤーの意見を受けてラベルを貼り替える、2回目のサンプルを配布する、といった場合です。商品や原産地によっては審査が厳しくなるため、この行は商品に合わせて設定してください。
コンテナ1本分という見せかけの節約
コンテナ1本分は1点あたりの運賃が安いため、効率的に見えます。しかし最初のテストでは、運賃は予算の1行にすぎないため、最も高くつく選択になることが少なくありません。新しいソースを、運賃を節約するためにコンテナ1本分送るブランドを想像してください。全量の代金を先に支払い、すべてに関税を払い、何か月も保管します。そしてバイヤーから別の入数やラベルを求められれば、すべてを詰め替えるか、賞味期限が切れて一部を廃棄することになります。
今度は、同じブランドが2つのSKUを数パレットかいくつかのカートンだけ送る場合を想像してください。1点あたりの運賃は高くなりますが、リスクにさらされる金額ははるかに小さく、保管も早く終わり、バイヤーから変更を求められても次の生産に反映できます。コンテナは、実際の注文に合わせた規模で後から送ればよいのです。
問うべきは、1点を最も安く運ぶ方法ではなく、信頼できる答えを最も安く得る方法です。ほとんどの最初のテストでは、それは少量の貨物を意味します。
管理できる費用と管理できない費用
法律や市場によって決まる費用もあります。関税と追加関税、政府の手数料、Prior Notice(事前通知)とFSVPの要件、サンプルや保険に関するバイヤーの期待です。計画に入れ、早めに確認し、二重に払わないようにすることはできますが、交渉でなくすことはできません。
それ以外のほとんどは、4つの判断で管理できます。
- テストするSKUの数。SKUが増えるごとに、ラベルの作業、サンプル、保管、アプローチが増えます。厳選した1つか2つの商品のほうが、通常は全ラインナップより多くを教えてくれます。
- 送る在庫の量。テスト対象のバイヤーへのサンプルと最初の注文に足りる量にとどめ、チェーン全体に供給できるほどは送りません。
- テストする地域。バイヤーの構成がはっきりした1つの地域に絞れば、出張、配送、フォローアップを管理しやすくなります。
- テストの期間。期間を決めれば、継続的な費用に上限ができ、判断を迫られます。
- 問いを決める 規模を広げる前に、テストで何を証明すべきか
- 一度きり 準備状況を確認する 登録、米国代理人、ラベル、FSVP輸入者
- 貨物の規模を決める サンプルと最初の注文に必要なSKUと数量
- 見積もりを取る 米国側の費用を見積もる 通関、保管、取り扱い、アプローチ
- 期間を決める 継続的な費用に上限を設ける判断の期日
具体的な参考例:アバンロのプログラム
第三者の価格は差が大きすぎてここでは示せませんが、アバンロ自身の価格は公開しているため、最初の立ち上げの米国側の具体的な参考例のひとつになります。規制対応、運賃、関税について自社で取る見積もりの代わりにはなりません。
3か月間の導入プログラムの料金は$2,950で、最初のSKUとそのSKUの最初のパレットを含みます。南カリフォルニアのロサンゼルス周辺、オレンジ郡、リバーサイド、サンディエゴで、1グループあたり最大25社の選定したバイヤー(商品に合わせて選ぶ小売、外食・業務用、卸売のバイヤー)へのアプローチを行い、フォローアップ、商品の設置、毎月のレポートも含みます。追加SKUは$1,900、バイヤーの追加グループは$1,000です。
販売手数料の仕組み。25%の販売手数料は、3か月間の市場参入ステージ「導入」の期間中にアバンロが生み出した売上にのみかかります。売上がなければ、販売手数料もかかりません。3か月間の後、手応えを得たブランドは、販売手数料のない、使った分だけお支払いのステージ「成長」に移行できます。
含まれないもの。本プログラムの対象は常温保存可能な食品のみです(冷蔵、冷凍、生鮮、コールドチェーンの商品は対象外)。アバンロが在庫を買い取ることはなく、売上や注文を保証することもありません。ブランド、ブランドが指定する米国の輸入者、または条件を満たす場合はアバンロが、輸入者(IOR)となります。アバンロの商品確認には、最初のSKUに関する米国の規制とラベルの確認が含まれます。施設登録、米国代理人、FSVPの対応は、必要なものを特定し、専門の第三者と別途調整します。運賃、関税、税金、政府関連の費用は別途です。
プログラム以外では、アバンロの公開している基本料金は、パレットの受け入れが$15から、パレット保管が1パレットあたり月額$49から、カートン保管が1カートンあたり月額$8から、ピッキング・梱包が1注文あたり$4.50からで、最低取扱量の条件は一切ありません。詳しくは料金ページを、プログラムそのものについては3か月間の導入プログラムのページをご覧ください。
予算づくりのよくある失敗
- 関税を入れずに価格を決める。HTSUSでの分類と最新の関税を確認せずに米国の卸売価格を決めると、利益が残らないことがあります。
- ラベルを忘れる。規則に沿わないラベルは、最初のバイヤーが商品を見る前にテストを止めてしまうことがあります。
- 販売ではなく在庫に予算を割く。米国の倉庫にある商品は、ひとりでには売れません。バイヤーへのアプローチは予算の中の実際の1行です。
- 終わりの日を決めない。テストの期間を決めないと、判断が先延ばしされる間も保管とサービスの費用がかかり続けます。
最初のテストを計画する
まずワークシートから始めましょう。すでにわかっていることを記入し、残りは見積もりを取り、どのSKUを、どれだけの在庫で、どの地域で、どのくらいの期間テストするかを決めます。通関や保管からバイヤーへのアプローチまで、米国側の確定した金額が必要であれば、商品の詳細をもとにアバンロがお見積もりします。アバンロによる米国市場参入の支援全般もご覧いただけます。
商品、原産国、テストしたいSKUの数をお知らせください。
米国でのテストの見積もりを依頼ここに記載した規制、通関、関税の情報は一般的なもので、変更されることがあります。ご自身の商品について最新の要件を確認してください。アバンロは、売上、注文、承認、輸入許可を保証しません。