FCLかLCLか:米国西海岸への海上輸送の選び方
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日本からロサンゼルスやロングビーチへ海上輸送する輸出企業やブランドで、コンテナ1本を使うFCLか、混載のLCLかを決める必要がある方へ。それぞれの料金の決まり方と取り扱い、米国到着後に何が変わるか、自社の見積もりで損益分岐点を求める方法を説明します。
FCLとLCLの違いを一言で
FCL(Full Container Load)では、コンテナを1本まるごと予約します。自社の倉庫やターミナルで積み込み、封印して輸送し、封印したまま米国の1つの住所に届けます。満載でもそうでなくても、コンテナ1本分の料金を払います。LCL(Less than Container Load、混載便)では、貨物が使う分のスペースに対して料金を払います。カートンやパレットを出荷地のコンテナフレートステーション(CFS)に搬入し、他の荷主の貨物と一緒に積み込んで輸送し、米国のCFSで再び仕分けてから配送します。LCLは通常、混載業者が販売し、その多くは自社の船荷証券(ハウスB/L)を発行する非船舶運航業者(NVOCC)です。米国を拠点とするNVOCCと海上貨物フォワーダーは米国連邦海事委員会(FMC)の免許を持つ必要があるため、混載業者にはFMCの免許や登録の情報を確認してください。
FCLは1回の出荷あたりの費用は高いものの、貨物が十分にあれば1㎥あたりの費用は下がります。LCLは始めやすい一方で、取り扱い、時間、固定費が加わります。このガイドの残りは、その境目が自社の場合どこにあるかを扱います。
コンテナのサイズと実際の積載量
米国向けの貨物の大半は、3つのサイズのドライコンテナでまかなえます。下の数字は、運送会社が公表している標準コンテナの仕様です。ハパックロイドは、実際のコンテナはメーカーによって異なると注記しているため、目安の値として扱ってください。
| コンテナ | 内寸(長さ×幅×高さ) | 容積 | 最大積載重量 |
|---|---|---|---|
| 20フィート標準 | 5,900 x 2,352 x 2,395 mm(19 ft 4 in x 7 ft 8 in x 7 ft 10 in) | 33.2㎥(1,172立方フィート) | 28,130 kg(62,016 lb) |
| 40フィート標準 | 12,032 x 2,352 x 2,395 mm(39 ft 5 in x 7 ft 8 in x 7 ft 10 in) | 67.7㎥(2,390立方フィート) | 28,750 kg(63,383 lb) |
| 40フィート・ハイキューブ | 12,032 x 2,350 x 2,700 mm(39 ft 5 in x 7 ft 8 in x 8 ft 10 in) | 76.3㎥(2,694立方フィート) | 28,600 kg(63,052 lb) |
実際に積める量を減らす要因が2つあります。
- 積み付けの効率。カートンやパレットが内寸をぴったり埋めることはありません。パレットはそれ自体の高さとパレット間のすき間の分だけスペースを失い、段積みできない商品は上の空間を失います。バラ積みのカートンはより多く入りますが、荷降ろしに時間がかかります。自社のカートンサイズで現実的な数字を出すよう、フォワーダーに依頼するか、積み付け計画のツールを使ってください。
- 米国の道路の重量制限。コンテナの最大積載重量は、道路上で適用される制限ではありません。米国連邦道路庁(FHWA)によると、州間高速道路での連邦の制限は、車両総重量80,000 lb(約36.3トン)、単軸20,000 lb(約9.1トン)、タンデム軸34,000 lb(約15.4トン)です。トラック、シャーシ、空のコンテナもこの合計に含まれるため、タイル、石材、液体、金属、瓶詰めの調味料のような密度の高い貨物は、コンテナが満杯になるずっと前に道路の制限に達することがよくあります。総重量は早めにフォワーダーに伝えてください。
軽くてかさばる商品では、通常40フィート・ハイキューブが費用あたりのスペースが最も大きくなります。重い商品では、40フィートに容積が収まる場合でも、20フィートが正しい選択になることがよくあります。
FCLとLCLの料金の決まり方
FCL:コンテナ1本あたりの料金
FCLの料金は、特定の航路でのコンテナ1本あたりの価格です。海上運賃に、燃料サーチャージや繁忙期サーチャージのように時期によって変わる割増料金が加わります。さらに出荷地と仕向地の費用、港までと港からのトラック輸送がかかります。20フィートに10㎥積んでも30㎥積んでも料金は同じなので、FCLが割に合うのは貨物が十分にある場合だけです。
LCL:1W/Mあたりの料金
LCLの運賃は「重量または容積」(W/M、レベニュートンとも呼ばれます)あたりで請求されます。混載業者は、立方メートルで表した容積と、メートルトン(1,000 kg)で表した重量を比べ、大きいほうで請求します。通常は最低1W/Mです。たとえば重さ2,000 kgで6㎥の貨物は6W/M、重さ4,500 kgで3㎥の貨物は4.5W/Mとして請求されます。米国のCFSでの仕向地の費用の多くもW/Mあたりで請求され、さらに1回の出荷ごとの固定料金がかかります。
運賃もサーチャージも市況に合わせて動くため、記事で見かける料金(このガイドを含む)は、予約するころには古くなっています。自社の航路と貨物について、その月の日付の見積もりを使ってください。
出荷地と仕向地の費用
見積もりはドア・ツー・ドアで比べてください。海上運賃は1行にすぎず、LCLでは最大の項目でないことも少なくありません。一般的な見積もりの内訳は次のとおりです。
| 段階 | FCL | LCL |
|---|---|---|
| 出荷地での集荷 | トラックが空コンテナを倉庫に運び、自社で積み込み、トラックがターミナルへ運ぶ | トラックがカートンやパレットを出荷地のCFSへ運ぶ |
| 出荷地での取り扱い | ターミナル取扱料、輸出書類、シール、輸出通関 | CFSでの受け入れと積み込み、ターミナル取扱料、輸出書類と輸出通関 |
| 海上運賃 | コンテナ1本あたり、サーチャージ別 | 1W/Mあたり(最低料金あり)、サーチャージ別 |
| 米国到着時 | ターミナル取扱料、ISF、通関 | 仕向地CFSでの仕分け(デバンニング)、書類・リリース手数料、ISF、通関 |
| 米国内の配送 | 港からのドレージ、シャーシ、場合によりデマレージやディテンション | LTLトラックや地元の運送会社によるCFSでの引き取り、場合によりCFSの保管料 |
| 倉庫で | コンテナの荷降ろし、バラ積みならパレット積み付け | パレットまたはカートンの受け入れ |
関税と米国の税関手数料は、どちらの場合も別にかかり、コンテナではなく商品によって決まります。各費用は米国に商品を輸入する費用で説明しています。また、バイヤーと合意したインコタームズで、どの行を誰が払うかが決まります。EXW、FOB、DAP、DDPのどれを選ぶかをご覧ください。
倉庫側では、アバンロは基本料金を公開しています。コンテナの荷降ろしは20フィート / 40フィートで$300 / $495から、パレット受け入れは1パレットあたり$15からで、詳細は料金ページに掲載しています。国際輸送と通関は貨物ごとにお見積もりします。
ロサンゼルス港・ロングビーチ港でのLCLの流れ
混載コンテナがロサンゼルス港・ロングビーチ港に着いても、そのまま届くわけではありません。ターミナルから地域のCFSへトラックで運ばれ、荷降ろしされ、出荷ごとに仕分け、数量確認を経て、リリースを待ちます。
- 到着と移送。コンテナはターミナルで荷揚げされ、仕向地のCFSへ運ばれます。
- デバンニング。CFSがコンテナから荷降ろしし、ハウスB/Lごとに貨物を分けます。
- リリース。通関が終わり、CFSと混載業者の費用が支払われると、貨物がリリースされます。
- 引き取り。手配したトラックやLTLの運送会社が、CFSのフリータイム内に予約して貨物を引き取ります。
各段階で数日かかることがあり、自社では管理できないこともあります。CBPがコンテナ内のいずれかの貨物を検査対象に選ぶと、コンテナ全体がまず集中検査場に回されることがあります。集中検査場は民間が運営する施設で、19 CFR Part 118に基づき、利用者に直接サービス料金を請求します。自社の貨物が選ばれていなくても、検査が終わるまで待つことになります。
FCLは仕向地のCFSを通りません。封印されたコンテナはターミナルで引き取られ、自社の倉庫かトランスロード施設へ直接トラックで運ばれます。速く、取り扱いも少なくて済みますが、ターミナルのフリータイムとコンテナ返却の期限が動き始めます。何を計画すべきかは、ガイドドレージ、デマレージ、ディテンションと南カリフォルニアでのトランスロードとクロスドッキングで説明しています。
ロサンゼルス港にとって、日本は2025年に中国・香港、ベトナムに次ぐ第3位の貿易相手で、取扱額は450億ドルでした。日本からの貨物はこの港の日常的な流れの一部です。アバンロの米国の当社施設は両港の近くにあります。FCLのコンテナはそのまま荷降ろしのために搬入でき、LCLの貨物はCFSで引き取って搬入し、アマゾン、小売業者、保管へ向かう前に、パッキングリストと照合する受け入れと検品を行えます。
パッキングリストをお送りいただければ、日本での集荷から米国の届け先への配送まで、通関を含めて両方の選択肢をドア・ツー・ドアでお見積もりします。
FCLとLCLの見積もりを依頼輸送日数、滞留、破損のリスク
時間
同じ本船なら、港から港までの航海日数はFCLもLCLも同じです。違いは前後の時間にあります。LCLの貨物は通常、本船のカットオフの何日も前に出荷地のCFSに搬入する必要があり、週1回など決まった日程で出る混載便を待つこともあり、さらに仕向地のCFSでも時間がかかります。LCLは、FCLより到着日の幅を広く見て計画してください。どちらの輸送手段にも輸送日数の保証はありません。港の混雑、天候、抜港(ブランクセーリング)でスケジュールは変わります。
日本から米国西海岸へは、運河を通らない太平洋横断の航路です。国土交通省は2010年に、京浜港(東京・川崎・横浜)と阪神港(大阪・神戸)を国際コンテナ戦略港湾に指定しました。同省によると、北米航路に限らない国際基幹航路の便数は、2025年11月時点で京浜港が週53便、阪神港が週92.5便です。一方で、国内の港から海外の港を経由して国際基幹航路を利用する貨物もあると説明しています。名古屋港や地方の港から出す場合は特に、直行便か積み替えかを混載業者に確認してください。積み替えが入るLCLでは、取り扱いの回数と到着日の幅がさらに増えます。
取り扱いと破損
FCLのコンテナは自社か仕入先が積み込み、受け取る側が開けます。LCLの貨物は、他の荷主の貨物の隣で、他人の手によって少なくとも2回積み降ろしされます。そのため、カートンのつぶれ、混載品の取り違え、小さな紛失のリスクが高くなります。リスクを減らすには、次の点に注意してください。
- LCLの貨物はパレットに積み、各パレットをストレッチフィルムで巻いて、ひとまとまりで動くようにする。
- 丈夫な二重構造のカートンを使い、パレットの端からカートンがはみ出さないようにする。
- すべてのカートンの2面に、荷受人、カートン番号(「3 of 12」)、SKUを表示する。
- FCLでは、荷物が動かないように固定し、シール番号を記録する。
- 集荷の前に貨物を撮影する。出荷地での写真がない破損の申し立ては、証明が難しくなります。
貨物保険は、FCLかLCLかとは別の判断です。インコタームズで何が求められるか、運送会社の責任が実際に何を補償するかを確認してください。運送会社の責任額は、通常、商品の価額よりはるかに小さくなります。
ISFはFCLにもLCLにも必要
米国向けの海上貨物には、コンテナを満たすか共有するかにかかわらず、すべて輸入者セキュリティ申告(ISF、通称「10+2」)が必要です。19 CFR 149.2により、ISF輸入者またはその代理人は、外国の港で本船に積み込まれる24時間前までに、主要な情報(売り手、買い手、輸入者(IOR)番号、荷受人、製造者または供給者、届け先、原産国、HTSコード)を提出しなければなりません。コンテナの詰め込み場所と混載業者は、できるだけ早く、遅くとも米国到着の24時間前までに追加する必要があります。
LCLでは、コンテナを共有していても自社の貨物ごとにISFが必要で、混載業者の情報も重要です。仕入先、商品、HTSコードの情報は、貨物がCFSに着いてからではなく、工場を出る前にフォワーダーに渡してください。輸入申告のその他の流れは、ガイド米国輸入通関のしくみで解説しています。
自社の損益分岐点を求める方法
損益分岐点とは、コンテナ1本の総額がLCLで送る場合と同じになる貨物量です。それより少なければLCLが安く、多ければFCLが安くなります。同じ航路、同じ集荷先と届け先で取った自社の見積もりから、3つの数字で求められます。
- LCLの1W/Mあたりの変動費:1W/Mあたりの海上運賃に、W/Mあたりで請求される仕向地の費用をすべて足したもの。
- LCLの1回あたりの固定費:書類、リリース、その他の定額の手数料、集荷と配送。
- FCLの総額:ドレージと荷降ろしを含め、自社の戸口から米国の届け先までのコンテナ1本分のすべての費用。
次の式で求めます。損益分岐点(W/M)=(FCLの総額 − LCLの固定費)÷ LCLの1W/Mあたりの変動費。
仮の例であり、市場の料金ではありません。静岡の茶葉メーカー(例)が、清水港か横浜港からロングビーチへの出荷を検討しているとします。LCLの見積もりが変動費1W/Mあたり$100、1回あたりの固定費$500で、同じ航路の20フィートコンテナの総額が$3,000だと仮定します。損益分岐点は($3,000 − $500)÷ $100で、25W/Mです。
したがって、軽い貨物が15㎥ならLCLは約$2,000で、こちらが有利です。28㎥ならLCLは約$3,300になり、カートンが実際に収まるなら20フィートコンテナのほうが安くなります。自社の数字はこれと異なり、大きく違うこともあり、月ごとにも変わります。
判断材料は費用だけではありません。損益分岐点を下回っていても、割れ物、高価な貨物、納期が決まっている場合にFCLを選ぶ荷主もいます。上回っていても、在庫と資金繰りを抑えるために、いくつかの小さな出荷に分けたい場合はLCLが理にかなうことがあります。
航空貨物や国際宅配便が向く場合
LCLには、貨物が少なくても減らない固定費があります。カートン数箱、サンプル、急ぎの補充、容積が小さく価額の高い商品なら、航空貨物や国際宅配便のほうがドア・ツー・ドアで安く、何週間も早く届くことがあります。日本では航空輸送の比重が大きく、東京税関によると2025年の成田空港の輸出額は全国の輸出額の18.2%、空港の輸出額の67.3%を占めました。少量の貨物での国際宅配便、航空、LCLの比較は、ガイドコンテナを使わずに最初の100個の商品を米国へ送る方法をご覧ください。
次の順に考えると役立ちます。急ぎか、割れ物か。軽いカートン数箱か。そうであれば航空貨物か国際宅配便から検討します。そうでなければ、LCLとFCLの見積もりを取り、損益分岐点を計算します。準備が整ったら、アバンロの集荷と国際輸送のサービスで、同じ貨物について海上と航空の両方をお見積もりします。輸送の一環として、米国の通関は当社が対応します。
このガイドは一般的な情報であり、法律上または通関上の助言ではありません。コンテナの仕様は運送会社とメーカーによって異なり、運賃と費用は頻繁に変わるため、出荷前に最新の見積もりで確認してください。
出典・参考資料
- 20フィート標準コンテナの仕様, ハパックロイド(Hapag-Lloyd)
- 40フィート標準コンテナの仕様, ハパックロイド(Hapag-Lloyd)
- 40フィート・ハイキューブコンテナの仕様, ハパックロイド(Hapag-Lloyd)
- 各州のトラックのサイズ・重量制限法の一覧(連邦の制限), 米国連邦道路庁(FHWA)
- 海上輸送仲介業者(NVOCCと海上貨物フォワーダー), 米国連邦海事委員会(FMC)
- 19 CFR 149.2:輸入者セキュリティ申告の要件と期限, 米国電子版連邦規則集(eCFR)
- 19 CFR Part 118 Subpart A:集中検査場, 米国電子版連邦規則集(eCFR)
- 19 CFR 141.18:非居住法人による輸入申告, 米国連邦規則集(コーネル大学ロースクール法律情報研究所)
- 国際コンテナ戦略港湾政策の取組状況について(2026年1月21日), 国土交通省 港湾局
- ロサンゼルス港の概要と統計(2025年の主要貿易相手国), ロサンゼルス港(Port of Los Angeles)
- 令和7年分 成田空港貿易概況(速報), 東京税関
出典確認日