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海外ブランドが米国のお客様の返品に対応する方法

更新日

Shopify、自社サイト、マーケットプレイスで米国のお客様に販売している日本の越境ECブランド向けのガイドです。返品の送り先、返品された商品ごとの扱いの決め方、そして商品が再び米国を出る場合の通関と関税の払い戻しについて説明します。

会社が海外にあると、返品対応が難しくなる理由

米国のお客様は、返品を米国内の住所へ、ほとんど費用をかけずに送り、すぐに返金されることを期待しています。在庫と会社が日本にあると、そのひとつひとつが、米国の競合よりも高くつきます。

  • 国際返送の送料は、1個の荷物でも商品の価格を上回ることがあります。
  • 通関が再び発生します。商品が米国を出て日本に入るときに、そして再び米国に戻るときにもかかります。
  • 再販売できる在庫が、間違った場所に滞ります。問題のない返品は次の米国のお客様に販売できますが、それは米国にとどまっている場合に限ります。

多くのブランドにとっての答えは、返品を米国で処理することです。米国の返品先住所をひとつ決め、明確なポリシーを示し、到着時に検品し、商品ごとに扱いを決めます。日本へ戻すのは例外とし、1個ずつではなく、まとめて行います。

米国の返品先住所

返品の送り先は、注文の出荷方法によって決まります。

販路と出荷方法ごとの、米国のお客様の返品の送り先
販売と出荷の方法返品の主な送り先決めること
Shopifyや自社サイト、日本から出荷米国の住所を用意しない限り、日本の住所米国の返品先住所を追加するか、一定額以下は返品なしで返金するか
Shopifyや自社サイト、米国の倉庫から出荷出荷元と同じ米国の倉庫検品のルール、状態の格付け、格付けごとの扱い
マーケットプレイス、自社出荷マーケットプレイスで設定した返品先住所マーケットプレイスの返品ポリシーを満たす米国の住所
アマゾンFBAお客様の返品はアマゾンが自社のネットワーク内で処理販売不可在庫と返送の扱い(下記リンクのガイドを参照)

アマゾンFBAの返品は、アマゾン独自の手順に従います。返送依頼、販売不可在庫、その送り先については、日本のセラーのためのアマゾンFBAの返送と返品をご覧ください。

それ以外の販路では、返品先住所は通常、注文を出荷している米国の倉庫と同じにします。そうすれば、返品された商品をそのまま棚に戻せます。日本から出荷している場合でも、米国に受け入れ拠点があれば、返品を集めて確認し、問題のない商品を次のお客様や別の販路に回せます。米国にオフィスを置かずに在庫を持つ方法は、海外企業のための米国の倉庫の選択肢で比較しています。

どの方法を選んでも、倉庫が各荷物を注文と照合できるようにしてください。ラベルや納品書に記載した返品承認番号(RMA番号)、注文番号、お客様の名前です。誰の返品かわからない荷物は、もっともよくある返品のトラブルで、後から整理するほど費用がかかります。

返品先住所は、荷物の届け先にすぎません。通関に使える住所ではありません。2026年9月18日以降、CBPは、輸入者のCBP Form 5106に記載する住所は輸入者の実際の所在地でなければならず、倉庫、フォワーダー、通関業者、登録代理人、私書箱は認めないというルールを執行しています(CBPの通知)。

返品ポリシー:決めておくこと

返品ポリシーは米国のお客様に向けて英語で書き、購入前に目に入る場所に掲載します。商品ページ、チェックアウト、注文確認です。販売している各マーケットプレイスにも独自の返品ルールがあり、そこで受けた注文はそのルールに従います。

次の点を事前に決めておきます。

  • 返品期間:配達から何日以内に返品を申し込めるか。
  • 商品の状態:未使用・元の包装のままに限るか、状態を問わないか。どこからを開封済みとするか。
  • 返品送料の負担:無料返品、返金額から定額を差し引く、お客様負担のいずれか。
  • 返金のタイミング:返品ラベルのスキャン時か、倉庫での検品後か。
  • 交換:交換に応じるか、交換品を米国の在庫から出荷するか。
  • 返品不可の商品:名入れ商品、開封済みの消耗品、衛生用品など。
  • 返品不要の返金:商品を返してもらわずに返金する金額の基準。

住所と手順ははっきり書いてください。米国のお客様に日本の住所への返品を求めたり、費用の負担があいまいだったりするポリシーは、お客様がカード会社に支払いの異議を申し立てるきっかけになります。

検品と状態の格付け

返品はすべて、誰かが開封し、注文と照合し、価値を判断する必要があります。シンプルな格付けの基準があれば、判断を毎回同じように行え、荷物ごとに質問に答える代わりに、指示を一度書くだけで済みます。

ネット通販の返品のためのシンプルな格付けの基準
格付け状態主な扱い
A未開封または新品同様、元の包装に傷みなし新品として再入庫
B開封済みまたは包装に傷み、商品は新品同様詰め替えやラベル貼り替えの後、再入庫または開封品として販売
C使用済み、軽微な不具合や部品の欠品再生、値引き販売、またはまとめて日本へ戻すまで保留
D破損、不良、期限切れ、または安全でない安全で認められる場合は寄付、それ以外は廃棄。輸送中の破損なら運送会社に申し立て

BからDに格付けしたもの、そして注文と内容が違うもの(別の商品、空箱、異なる製品)はすべて写真を撮ってもらいます。写真は、マーケットプレイスや運送会社への申し立て、チャージバックへの反論の証拠になり、日本から格付けを確認する手段にもなります。

商品ごとの確認項目も書き出しておきます。シリアル番号、使用期限、化粧品の封、充電器や付属品、サイズ表示などです。伝えられていないルールを、倉庫が適用することはできません。

返品された商品の扱い

図1 検品から、返品された商品ごとの判断まで
返品された商品を検品 注文と照合し、格付けし、写真を撮る
  • 在庫に戻す
    • 新品として再入庫
    • 先に詰め替えやラベル貼り替え
    • 開封品として販売
  • 保留してまとめる
    • 米国で再生
    • まとめて日本へ戻す
    • ロット単位で在庫処分
  • 販売をやめる
    • 安全で認められれば寄付
    • 記録を残して廃棄
    • 破損なら運送会社に申し立て

再入庫

格付けAの商品は販売可能な在庫に戻し、次のお客様に出荷できます。在庫管理システムで再び販売可能と表示されるようにしてください。そうしないと、販売できる商品が棚に眠ったまま、新しい在庫を発注し続けることになります。

詰め替えとラベル貼り替え

格付けBの商品は、新しいポリ袋、外箱、ラベルだけで済むことがよくあります。米国での詰め替えとラベル貼り替えなら、日本へ戻さずに販売できる商品に戻せます(ラベル貼付のみの作業は1点あたり$0.45から)。その後アマゾンに送る場合は、ほかの商品と同じく、アマゾンの納品準備とラベル貼付のルールを満たす必要があります。

再生

再生(リファービッシュ)は、原因がわかっていて直せる不具合のある、比較的高額な商品に向いています。作業を米国で行うか日本で行うか、再生品を再び販売するときにどう表示するかを決めておき、新品ではないことがお客様に伝わるようにします。

在庫処分、寄付、廃棄

再販売できない、またはしない商品は、在庫処分業者へのロット販売、寄付、リサイクル、廃棄のいずれかで処理できます。何をどう処分したかを写真とともに記録してください。在庫の会計処理に必要で、ドローバックを申請する場合にも必要になります。

返品を再入庫、再販売、寄付する前に、その製品がリコールの対象でないことを確認してください。米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、消費者製品安全法第19条により、リコール対象の製品を販売することは違法であるとしています(CPSC)。

返品を日本へ戻す場合:通関の注意点

商品を日本へ戻す必要があることもあります。工場で手直しする不良ロット、別の市場で販売する季節在庫、日本で再生する高額商品などです。1個ずつの荷物ではなく、まとめた貨物として計画します。

米国を出るとき

この貨物は米国からの輸出になります。商品の内容、状態(返品、使用済み、不良)、価額、原産国を記載した商業インボイスまたは仮インボイス(プロフォーマインボイス)と、パッキングリストが必要です。申告する価額は現在の状態での価値を反映させ、その貨物に必要な輸出時の届出はフォワーダーに確認します。

日本に戻るとき

日本に戻る貨物に関税と輸入消費税がかかるかどうかは、日本の税関が判断します。日本には再輸入免税の制度があり、日本から輸出されたときと性質・形状が変わっていない貨物は、関税と消費税が免除されます(関税定率法第14条第10号)。輸出許可を受けた貨物のほか、郵便で外国へ送られたことが明らかな貨物も対象になり、輸入申告の際に輸出許可書またはこれに代わる税関の証明書の提出が必要です。ただし、輸出時に消費税の輸出免税など他の減免税の適用を受けた貨物は適用除外となる場合があり、酒税など消費税以外の内国消費税は免除されません(税関「カスタムスアンサー 1609」)。

つまり、ロットごとに、元の輸出書類と米国での輸入申告の記録をまとめて保管しておくことが大切です。輸出許可書は、消費税の輸出免税の証明としても7年間の保存が求められており、20万円以下の郵便による輸出では郵便局の受領証などが証明になります(国税庁「タックスアンサー No.6551」)。個々の貨物に再輸入免税が使えるかは、事前に税関に確認してください。

再び米国へ送るとき

再生した商品を後で米国へ送る場合は、新たな輸入となり、新しい輸入申告が必要です。手順は米国の通関のしくみのガイドで説明しています。米国関税率表(HTSUS)の特別規定が当てはまるかどうかは、出荷の前に確認してください。輸送の一環として、米国の通関はアバンロが対応します。

電池やその他の危険物

リチウム電池を含む返品には注意が必要です。PHMSAのリチウム電池ガイドによると、損傷・欠陥のある電池やリコール対象の電池は、道路、鉄道、船舶でのみ輸送でき、航空輸送は一切できません。リチウム電池は航空輸送では危険物にあたるため(IATA)、返品された機器をそのまま混載の荷物に入れて戻すことはできません。輸送のルールは、アマゾンFBAの危険物審査のガイドで詳しく説明しています。

返品された商品と関税の払い戻し(ドローバック)

輸入時に米国の関税を支払っていれば、返品された商品を輸出または廃棄するときに、その大部分を取り戻せる可能性があります。ドローバックとは、輸入時に徴収された特定の関税、内国税、手数料の払い戻しで、貨物が輸出されるか、CBPの監督下で廃棄された場合にのみ認められます(CBP)。

CBPのドローバック近代化の規則の概要は次のとおりです。

  • 未使用品ドローバック(19 U.S.C. 1313(j))は、米国で使用されずに輸出または廃棄された輸入貨物に適用されることがあります。
  • 不適合品ドローバック(19 U.S.C. 1313(c))は、見本や仕様に適合しない貨物が対象です。個々の返品が該当するかは事実関係によるため、これを前提に計画する前にドローバックの専門家に相談してください。
  • 期限:ドローバックの申請は、原則として輸入日から5年以内に行う必要があります。
  • 金額:ほとんどの申請では、払い戻しの上限は対象となる関税、税金、手数料の99%で、規則の制限によってはそれより少なくなります。

ドローバックの申請には、輸入申告の記録、輸出または廃棄の証明、返品された商品と輸入を結びつける記録が必要です。通常は、申請者に代わって専門家が準備します。返品が月に数件のブランドでは、書類の手間が回収額を上回るのが普通です。関税率が高い場合や返品が多い場合は検討する価値があり、だからこそ輸入と返品の記録を最初から整理しておくことが大切です。取り戻せる関税がそもそもどう計算されるかは、米国への輸入にかかる費用のガイドで説明しています。

米国で返品を受け取り、確認し、棚に戻したいとお考えですか?販売している商品と、見込まれる返品の数をお知らせください。

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試算例:米国で処理するか、日本へ戻すか

架空の例です。数字はすべて説明のための仮定で、市場データではありません。東京のアパレルブランドが、自社のShopifyストアで米国のお客様から月1,000件の注文を受けているとします。そのうち8%、つまり月80件が返品されると仮定します。

選択肢1:返品を1件ずつ日本へ送ってもらう。国際返送の送料を1件あたり$25と仮定すると、日本での輸入時の税金を除いても送料だけで月$2,000になり、再販売できる商品はすべて米国の外に出てしまいます。

選択肢2:米国の住所に返品してもらう。米国内の返送料を1件あたり$8と仮定すると、月$640です。検品の結果、60点が格付けAでそのまま在庫に戻り、12点は新しい袋とラベルが必要、8点が破損していたとします。格付けAとBの商品は次の米国のお客様に出荷します。破損した8点は保管しておき、四半期に一度カートン1箱にまとめて日本へ戻すか、記録を残して廃棄します。

この仮定では、米国で処理するほうが送料が少なく、販売できる72点をお客様のいる場所に残せます。正しく比較するには、倉庫の取り扱い料金を加えてください。通常何が含まれるかは、米国の3PL料金のしくみのガイドで説明しています。

米国での返品対応の準備:チェックリスト

  1. アマゾン以外のすべての販路で使う米国の返品先住所をひとつ決め、各マーケットプレイスのアカウントに設定します。
  2. 英語で返品ポリシーを書きます。返品期間、商品の状態、返品送料の負担、返金のタイミング、交換、返品不可の商品、返品不要の返金の基準です。
  3. すべての返品を注文と照合できるようにします。返品承認番号、注文番号、お客様の名前です。
  4. 格付けの基準と、格付けごとの扱い、写真のルールを取り決めます。
  5. 格付けCとDの商品の扱いを決めます。再生、日本へ戻すためにまとめる、在庫処分、寄付、廃棄のいずれかです。
  6. 再入庫や寄付の前に、リコールを確認します。
  7. 日本へ戻す可能性がある商品は、輸出許可書を出荷ごとに保管し、再輸入免税が使えるかを確認します。
  8. ドローバックの申請に備えて、輸入申告と返品の記録をまとめて保管します。
  9. 返品理由を毎月確認します。特定のサイズ、色、商品で返品が急に増えたら、たいていは直せる出品や商品の問題です。

アバンロの米国の当社施設では、返品を受け入れと検品で受け取り、詰め替えやラベル貼り替えを行い、保管(カートン保管は1カートン・1か月あたり$8から)したうえで、ネット通販のフルフィルメントで新しい注文として出荷できます(ピッキング・梱包は1注文あたり$4.50から)。小売業者、別の倉庫、アマゾンへまとめて送る在庫は、転送で出荷します(カートン転送は1カートンあたり$5から)。基本料金はすべて料金ページに掲載しています。

このガイドは一般的な情報であり、法務上・通関上の助言ではありません。通関、ドローバック、製品安全のルールは変わるため、行動する前に、お客様の商品と関係する国について確認してください。

出典・参考資料

  1. 関税の払い戻し(ドローバック), 米国税関・国境警備局(CBP)
  2. ドローバック制度の近代化に関する最終規則(83 FR 64942、2018年12月18日), 米国税関・国境警備局(CBP)、連邦官報
  3. CBPに提出する輸入者(IOR)データの正確性(91 FR 53627、2026年8月19日), 米国税関・国境警備局(CBP)、連邦官報
  4. リコール対象製品のオンライン販売の停止, 米国消費者製品安全委員会(CPSC)
  5. 荷送人向けリチウム電池ガイド(2024年10月改訂), 米国運輸省 パイプライン・危険物安全庁(PHMSA)
  6. 航空による危険物輸送の基礎知識, IATA Knowledge Hub
  7. カスタムスアンサー 1609 再輸入免税貨物の手続, 税関
  8. タックスアンサー No.6551 輸出取引の免税, 国税庁

出典確認日

よくあるご質問

米国のお客様に販売するには、米国の返品先住所が必要ですか?

法律上の義務ではありませんが、実務上は必要です。米国のお客様に自己負担で日本へ返品してもらうよう求めると、返品の拒否、チャージバック、低い評価につながります。米国の返品先住所があれば、お客様の返品の負担が軽くなり、商品を検品して再販売する場所も確保できます。

返金だけして、商品はお客様に持っていてもらうことはできますか?

できます。低価格の商品では、それがいちばん安く済むことも少なくありません。あらかじめ金額の基準を決め、返品なしで返金した注文を記録しておけば、悪用に気づけます。

返品された商品を日本へ戻すと、関税がかかりますか?

商品が米国を出るときに米国の関税はかかりません。日本に戻るときは関税と輸入消費税がかかる可能性がありますが、輸出したときと性質・形状が変わっていない貨物は、輸出許可書などを提出すれば再輸入免税の対象になる場合があります。その商品を後で再び米国へ送る場合は、新たな輸入になります。

お客様から返品された商品の米国の関税を取り戻せますか?

可能性はあります。米国の関税払い戻し(ドローバック)では、輸入後に輸出された貨物や、CBPの監督下で廃棄された貨物について関税が払い戻されることがあり、未使用品や不適合品のドローバックが一部の返品に当てはまる場合もあります。申請には厳しい書類と期限のルールがあるため、取扱量に見合うかを確認してください。

返品された商品を米国で寄付できますか?

販売や譲渡が安全かつ合法であれば、多くの場合は可能です。まずリコールの対象でないことを確認してください。CPSCは、リコール対象の製品を販売することは違法であるとしています。販売できない商品の寄付や廃棄は、いずれの場合も記録に残してください。

米国で返品を受け取る場所が必要ですか?

販売している商品、販売先、見込まれる返品のおおよその数をお知らせください。6時間以内に返信します。

24時間365日サポート 6時間以内に返信します。