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日本のセラーのためのアマゾンFBAの返送と返品

更新日

日本からアマゾンFBA(Amazon FBA)で米国に販売していると、返送依頼、お客様の返品、販売不可在庫のたびに「その在庫をどこに送るのか」という現実的な問題に直面します。このガイドでは、2026年10月時点での返送と返品のしくみ、何も決めなかった場合にアマゾンがどうするか、そして選択肢を残しておくための米国の住所の用意について説明します。

海外に拠点があると、返送が難しくなる理由

FBAで販売していれば、いずれフルフィルメントセンターから出さなければならない在庫が出てきます。保管手数料が上がる前の売れ行きの鈍い商品、アマゾンが再販売できないお客様の返品、破損したカートン、別の販路に回す在庫、出品に問題が起きて取り残された在庫などです。米国のセラーなら、返送依頼の届け先は自社の倉庫です。日本のセラーには米国の住所がないことが多く、そこから問題が始まります。

計画がなければ、結果は廃棄になりがちです。多くは検品し、ラベルを貼り替えれば再び販売できるのに、手数料を払って自社の商品を処分することになります。以下では、アマゾンが用意している選択肢、在庫の送り先に関するルール、何もしなかったときの扱いを決める設定を説明します。

アマゾンの返送依頼:返送、廃棄、在庫処分

返送依頼(Removal Order)は、特定の在庫をアマゾンのフルフィルメントネットワークから出すよう、セラーセントラルで依頼するものです。対象の商品、数量、その後の扱いを選びます。主な方法は次のとおりです。

日本のセラーから見たアマゾンFBAの返送・廃棄の方法の比較
方法何が起きるか手元に戻るもの日本のセラーにとっての向き不向き
返送指定した住所にアマゾンが在庫を発送商品そのもの受け取れる米国の住所がある場合のみ
廃棄アマゾンが在庫を廃棄またはリサイクルなし現実的に再販売の価値がない在庫
在庫処分対象の在庫を、アマゾン経由で卸売の在庫処分業者に販売回収額の一部(手数料を差し引いた額)戻す必要のない過剰在庫や返品

手数料

返送と廃棄は1点ごとに課金されます。アマゾンのFBAチームは、返送手数料は商品のサイズ区分と配送重量で決まると説明しており(FBAの返送に関するアマゾンの投稿)、アマゾンは返送、廃棄、在庫処分を1点あたりの手数料として掲載しています(Sell on Amazon、FBAの費用)。これらの手数料は毎年見直され、2026年の米国の手数料改定は2026年1月15日に発効しました。判断の前に、セラーセントラルの返送依頼の手数料ページや収益シミュレーター(Revenue Calculator)で現在の料金を確認してください。過去の年の金額に頼らないことが大切です。

所要期間

返送は早くありません。アマゾンのFBAチームは、返送の完了までに90日以上かかることがあり、さらに運送会社の配送に2週間ほどかかると述べています(FBAの返送に関するアマゾンの投稿)。アマゾンは2026年の手数料の発表で返送処理を速めるとしていますが(アマゾンの2026年の手数料の発表)、2026年10月時点では長いほうの期間で計画するのが安全です。大量の返送依頼は通常、数週間にわたって複数の荷物に分かれて届き、別々のフルフィルメントセンターから届くこともあります。その在庫を別の注文に回す前提を立てる前に、この点を考えておいてください。

返送依頼には米国の住所が必要

海外のセラーにとって、もっとも重要なルールです。アマゾンは、輸入された在庫を米国外の住所に返送することは現在できないとしており、その在庫の返送先は、自社の倉庫、3PL、その他の米国の住所など、米国内でなければなりません。また、FBAはフルフィルメントセンターからの国際輸送の集荷に対応していないとしています(アマゾンの投稿「FBAセラーのための輸入の基礎」)。つまり、米国アマゾンの在庫を日本の住所に直接戻すことはできません。

届け先にはほかにも制限があります。アマゾンの担当者によると、返送依頼は米国の海外領土、私書箱(PO、APO、FPO、DPO)、他のフルフィルメントセンターには送れません(返送依頼の届け先に関するアマゾン担当者の回答)。知人の住所や私書箱サービスも、たいていは良い解決策になりません。返送は数十カートンが数週間にわたって届くことがあり、アマゾンが発送したとする内容と1つずつ照合する担当者が必要です。

米国の住所がない場合は、必要になる前に用意してください。返送できない在庫は、実際には廃棄か在庫処分するしかない在庫です。

アバンロは、米国の当社施設でアマゾンの返送依頼の在庫を受け入れます。届く予定の内容と在庫の扱いをお知らせいただければ、各配送を返送依頼の内容と照合し、結果をご報告します。

自動返送・廃棄の設定

セラーセントラルには2種類の自動設定があります。日本から販売している場合は、どちらも意図して設定してください。見ていないあいだも動き続けるからです。

販売不可在庫の自動設定

販売できない在庫は、FBAから出す必要があります。販売不可在庫の自動設定では、その在庫を返送するか廃棄するかを選びます。アマゾンによると、返送の希望が設定されていない場合、在庫は保管スペースの状況に応じて、アマゾンの判断でできるだけ早く廃棄されます(自動返送設定に関するアマゾンのモデレーターの投稿)。

2021年9月9日以降は、販売不可在庫について2つの価値回収の選択肢も選べます。新品の状態で、軽い作業で再び販売できるようになる対象の返品を対象とする再生(リファービッシュ)と、在庫処分です。どちらにも当てはまらない在庫は、返送か廃棄かの選択に従って処理されます(自動返送の選択肢に関するアマゾンのお知らせ)。

販売可能在庫の自動設定

販売可能な在庫については、販売可能在庫の自動設定で、長期在庫や売れ行きの鈍い在庫をアマゾンが返送、在庫処分、廃棄できるようにします。有効にすると、フルフィルメントセンターに365日を超えて保管されている販売可能在庫と、6か月以上連続して販売がなく、フルフィルメントセンターに180日を超えて保管されているASINの在庫が対象になるとアマゾンは述べています。

季節商品には落とし穴があります。この設定で返送されたASINは、最長90日間FBAに再納品できないことがあるとアマゾンは述べています。お中元・お歳暮向けのギフトセットや季節限定の商品など、特定の時期に売れる商品の場合、閑散期に返送されると、需要が戻ったときにFBAに在庫を置けないことがあります。

日本のセラーにとって、もっとも安全な初期設定はたいてい、販売不可在庫は米国の住所へ返送、販売可能在庫の自動設定は届いた在庫の使い道が決まっている場合にのみ有効、という組み合わせです。

販売不可在庫と停止中の在庫

販売不可在庫

アマゾンが新品として販売できない在庫は、販売不可在庫になります。お客様が破損させた返品、倉庫や運送会社が破損させた商品、不良品、期限切れの商品などです。在庫には残りますが販売できず、いずれFBAから出さなければなりません。回収する価値のあるものもあります。たとえば、外箱が傷んでいても元の包装のままの返品なら、検品と新しい包装だけで済むかもしれません。一方で、返送手数料に見合わないものもあり、その場合は廃棄や在庫処分が現実的な答えです。初期設定任せにせず、商品ごとに判断することが大切です。

例(架空):大阪のスキンケアブランドが、使用期限の表示がある化粧品を米国アマゾンで販売しているとします。期限が近づいた在庫や期限切れの在庫は販売不可になるため、どの時点で返送し、米国内の別の販路やサンプルに回すかを、あらかじめ決めておくと廃棄を減らせます。

停止中の在庫

停止中の在庫(Stranded Inventory)は、アマゾンにある販売可能な在庫のうち、有効な出品がないものです。原因は通常、出品の問題、価格の問題、コンプライアンス上の保留です。アマゾンの保管手数料は、売れているかどうかにかかわらずフルフィルメントセンターにある在庫にかかるため、停止中の在庫は毎月費用を生みます。まず出品を修正し、セラーセントラルに表示された理由を確認し、期限内に解決できない場合にのみ返送してください。

アマゾンにある過剰在庫は、納品できる量にも影響します。在庫パフォーマンスが納品可能な量にどう関わるかは、納品先の配置手数料と在庫上限のガイドで説明しています。

FBAでのお客様の返品

FBAでは、アマゾンが出荷した注文について、アマゾンがカスタマーサービスと返品に対応します(Sell on Amazon、FBA)。お客様は、セラーではなくアマゾンに返品します。アマゾンは返品された商品を1点ずつ評価し、販売可能なものは在庫に戻し、販売できないものは販売不可在庫として、販売不可在庫の自動設定に従って処理します。

返品には返品処理手数料がかかることがあります。アマゾンは、お客様に無料の返品送料を提供する注文に課されるものと説明しています。2024年6月1日から、アマゾンは返品処理手数料の対象を、衣料品と靴を除くすべてのカテゴリーの返品率の高い商品に広げ、同じカテゴリーの他の商品と比べて返品率がもっとも高い商品にのみ適用するとしました(アマゾンの2024年の手数料のお知らせ)。アマゾンは毎年見直すため、カテゴリーごとの現在の返品処理手数料のルールをセラーセントラルで確認してください。

日本のセラーにとっての実務上の影響は2つあります。

  • 返品された在庫は知らないうちにたまります。米国の住所と返送の設定がなければ、その多くは廃棄されます。返品と販売不可在庫のレポートを毎月確認してください。
  • 返品率の高さは、商品からのシグナルです。アマゾンの返品理由を読んでください。輸送中に傷む包装、サイズ表の欠如、わかりにくい出品などは、日本の出荷元で直せることが多くあります。

自社サイトや他の販路からの返品は扱いが異なり、海外ブランドが米国のお客様の返品に対応する方法で説明しています。

届いた返送依頼の在庫の行き場がありませんか?アバンロは米国で受け入れ、1点ずつ検品し、販売できる在庫をFBAや他の販路へ送り直します。

米国の受け入れ先を用意する

FBA在庫処分(リクイデーション)

FBA在庫処分(FBA Liquidations)では、過剰在庫やお客様の返品在庫を、返送や廃棄の代わりにアマゾン経由で卸売の在庫処分業者に販売できます。アマゾンのFBAチームは次のように説明しています(FBA在庫処分に関するアマゾンの投稿)。

  • 回収額:総回収額は、商品価値のおよそ5〜10%が目安です。
  • 手数料:商品のサイズと重量に応じた処理手数料に加え、総回収額の15%の在庫処分の販売手数料がかかります。
  • 支払い:差し引き後の金額は通常90日以内に支払われます。
  • タイミング:依頼を送信した時点で保管手数料と長期在庫の追加料金は止まり、確定した在庫処分の依頼は取り消せません。
  • 対象:法律、安全、規制上のルールによって決まります。危険物(アマゾンの危険物審査のガイドを参照)、リコール対象品、マスク、ジュエリー、期限切れ・不良・倉庫で破損した商品は対象外です。

在庫処分は、返送依頼と同じ手順で、方法として在庫処分を選んで作成します。販売可能在庫と販売不可在庫の両方に自動の在庫処分を設定することもできます。この制度を前提にする前に、アマゾンのFBA在庫処分のページで現在の手数料と対象を確認してください。

在庫処分は、どんな価格でも戻す必要のない在庫に向いています。新品の在庫で、ブランドが他の販路でも販売しているなら、米国の住所に返送したほうが多くを回収できることが多くあります。その代わり、自社またはパートナーが取り扱う手間がかかります。

米国の受け入れ先でできること

返送された在庫を受け入れ、検品し、指示どおりに処理できる米国の住所があれば、選択肢は廃棄か在庫処分かだけではなくなります。FBAから出てきた在庫でできることは次のとおりです。

  • 検品と仕分け。各配送を返送依頼と照合して数え、新品として再販売できるもの、詰め替えが必要なもの、再販売できないものに仕分けます。写真は、アマゾンへの申し立ての記録になります。
  • ラベル貼り替えと詰め替え。傷んだポリ袋や外箱を交換し、新しいFNSKUラベルを貼って、再びアマゾンの要件を満たすようにします。2026年のアマゾンFBA納品準備要件をご覧ください。
  • FBAへの再納品。修正した在庫を、在庫上限に合わせた量で新しい納品としてアマゾンに送ります。アマゾンの自動設定でASINが返送された場合は、待機期間の後になります。
  • 別の販路で販売。自社のネットショップの注文に回す、米国の卸売バイヤーに販売する、サンプルとして使う、といった使い道があります。
  • 季節まで保管。季節商品をアマゾンの保管手数料から外し、需要が戻ったら送り直します。
  • 採算が合えば日本へ戻す。日本へ戻すのは新たな輸出貨物で、運賃に加え、日本での輸入時に関税や消費税がかかる可能性があるため、通常は高額な商品の場合にのみ見合います。

日本へ戻す場合、日本から輸出したときと性質・形状が変わっていない貨物は、輸入申告の際に輸出許可書またはこれに代わる税関の証明書を提出すれば、再輸入免税として関税と消費税が免除される制度があります(関税定率法第14条第10号)。ただし、輸出時に消費税の輸出免税など他の減免税の適用を受けた貨物は適用除外となる場合があり、酒税など消費税以外の内国消費税は免除されません(税関「カスタムスアンサー 1609」)。適用できるかどうかは貨物ごとに税関で確認し、輸出許可書は出荷ごとに保管しておいてください。

アバンロはこれらの作業に米国で対応します。受け入れと検品、ラベル貼り替え(ラベル貼付のみのサービスは1点あたり$0.45から)、保管(1カートン・1か月あたり$8から)、アマゾンへの転送(1カートンあたり$5から)、他の販路向けのネット通販のフルフィルメント(ピッキング・梱包は1注文あたり$4.50から)です。いずれも基本料金で、各サービスに含まれる内容は料金ページでご確認ください。

日本のセラーのためのチェックリスト

  1. 返送依頼を受け取れる米国の住所を、できれば最初のFBA納品の前に用意します。
  2. 販売不可在庫の自動設定で、在庫をその住所へ返送するよう設定し、再生と在庫処分を使うかどうかを決めます。
  3. 販売可能在庫の自動返送を有効にするかを決めます。季節商品のASINでは、最長90日間の待機期間を考慮します。
  4. 停止中、販売不可、長期保管の在庫を毎月確認します。
  5. 返送のたびに、1点あたりの返送手数料と見込める再販売価格を比べ、SKUごとに返送、廃棄、在庫処分を選びます。
  6. 受け入れパートナーに、届く内容(注文ID、SKU、数量)と、状態ごとの扱いを伝えます。
  7. 返送の完了までに90日以上と輸送期間を見込みます。
  8. 日本へ戻す可能性がある商品は、輸出許可書を出荷ごとに保管し、再輸入免税が使えるかを事前に確認します。
  9. 返品理由をもとに、包装、出品、商品の問題を出荷元で直します。

そもそもアマゾンへの在庫の送り方をまだ計画している段階なら、海外からアマゾンFBAへ在庫を送る方法とFNSKUラベルとメーカーのバーコードの違いから始めてください。

出典・参考資料

  1. FBA返送・所有権放棄(廃棄)の手数料(ヘルプページ、要サインイン), セラーセントラル(アマゾン)
  2. FBAセラーのための輸入の基礎 第3回(輸入在庫の米国住所への返送), アマゾン セラーフォーラム
  3. 返送依頼の届け先(アマゾン担当者の回答), アマゾン セラーフォーラム
  4. FBA在庫の返送・廃棄:総合ガイド, アマゾン セラーフォーラム
  5. FBAの自動返送・廃棄設定(アマゾンのモデレーターの投稿), アマゾン セラーフォーラム
  6. 再生(リファービッシュ)と在庫処分(リクイデーション)が自動返送の選択肢に, アマゾン セラーフォーラム(ニュースとお知らせ)
  7. FBA在庫処分(FBA Liquidations)のすべて, アマゾン セラーフォーラム
  8. FBA在庫処分(FBA Liquidations)(ヘルプページ、要サインイン), セラーセントラル(アマゾン)
  9. 2026年の米国の販売手数料とFBA手数料の改定, アマゾン セラーフォーラム(ニュースとお知らせ)
  10. 米国の販売手数料とFBA手数料の改定(返品処理手数料、2024年), アマゾン セラーフォーラム(ニュースとお知らせ)
  11. フルフィルメント by Amazon:費用と手数料のページ, Sell on Amazon(アマゾン)
  12. カスタムスアンサー 1609 再輸入免税貨物の手続, 税関

出典確認日

よくあるご質問

アマゾンは返送依頼の在庫を日本へ送ってくれますか?

いいえ。アマゾンは、輸入された在庫を米国外の住所に返送することはできないとしています。米国の返送依頼の届け先は、自社の倉庫や3PLなど、米国内の住所である必要があります。そこから日本へ戻す場合は、新たな輸出貨物として送ることになります。

アマゾンの返送依頼にはどのくらいかかりますか?

アマゾンのFBAチームは、返送の完了までに90日以上かかることがあり、さらに届け先までの輸送期間が加わると述べています。大量の返送依頼は、数週間にわたって複数の荷物に分かれて届くことがよくあります。

販売不可在庫を放置するとどうなりますか?

販売できない在庫は、FBAのネットワークから出す必要があります。販売不可在庫の自動設定で返送の希望を設定していない場合、在庫はアマゾンの判断により、保管スペースの状況に応じて廃棄されるとアマゾンは述べています。

返送した在庫をFBAに再納品できますか?

多くの場合は可能です。検品のうえ、必要に応じてラベル貼り替えや詰め替えを行います。ただし、販売可能在庫の自動設定によってアマゾンがASINを返送した場合、そのASINは最長90日間、FBAに再納品できないことがあるとアマゾンは述べています。

在庫処分(リクイデーション)は廃棄より得ですか?

ある程度の価値を回収できる可能性があります。アマゾンによると、セラーが受け取る額は一般に、手数料を差し引く前で商品価値のおよそ5〜10%です。対象外の商品もあり、自分で再販売する機会を手放すことになるため、まず米国の住所への返送と比べてください。

アマゾンの返送・返品を受け取る米国の住所が必要ですか?

アマゾンから届く在庫、おおよその数量、その後に必要な作業(検品、ラベル貼り替え、保管、FBAへの再納品)をお知らせください。6時間以内に返信します。

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