アマゾンFBAの危険物(ハズマット)審査
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商品がアマゾンの危険物審査(ハズマット審査)で止まっているセラーや、電池、エアゾール、香水、化粧品などの化学製品をFBAに送る予定の日本の輸出企業向けのガイドです。アマゾンが求める情報、審査の流れ、そしてそうした商品を米国へ運ぶための別のルールを説明します。
2つの別々のルール
可燃性の成分、高圧ガス、腐食性の物質、リチウム電池を含む商品は、2つの異なるしくみで扱いが決まります。
- アマゾンの危険物審査は、その商品をFBAで保管・販売できるか、どのような条件で扱うかを決めます。アマゾンの方針であり、アマゾンの危険物チームが運用しています。
- 輸送に関する法規は、その貨物を運べるか、どう運ぶかを決めます。航空はIATA危険物規則書、海上はIMDGコード、米国内の輸送は米国の危険物規則(49 CFR Parts 171〜180)です。
一方を通っても、もう一方を通ったことにはなりません。アマゾンがFBAでの扱いを認めたASINでも航空会社に断られることがあり、海上輸送で合法に運べる商品でもセラーセントラルでブロックされたままになることがあります。最初のカートンを生産する前に、両方を計画に入れてください。
アバンロは、適用される規制、商品の正しい分類、そろった書類、適切な輸送・取り扱い・保管の体制を条件に、危険物の輸送を手配できます。すべての商品が対象になるわけではなく、商品とそれに適用されるルールによって異なります。お見積もりの際に安全データシート(SDS)をお送りいただければ、選択肢を確認してご連絡します。
アマゾンが危険物とみなす商品
アマゾンは危険物(ハズマット、hazardous materials)を、可燃性、高圧、腐食性、その他の有害な物質を含むため、適切に保管・輸送・取り扱いされないと危険を生じうる商品と説明しています。Sell on Amazonの危険物ガイドに挙げられた例は、身近な消費財が多いため参考になります。
| 種類 | アマゾンが挙げる例 | 審査で主に見られる点 |
|---|---|---|
| エアゾール・高圧の商品 | エアゾール缶入りのホイップクリームや調理用スプレー、シェービングクリーム、制汗スプレー | 加圧容器、噴射剤 |
| 引火性液体 | 香水、アルコールを含むネイルポリッシュやマウスウォッシュ、アルコール度数の高い蒸留酒、手指消毒剤 | アルコールや溶剤の含有量、液体の容量 |
| 電池 | スマートフォン、ノートパソコン、スマートウォッチ、スマート衣料など、リチウム電池を使う商品 | 電池の種類、ワット時定格量またはリチウム含有量、電池の梱包方法 |
| 腐食性物質・その他の化学品 | 食器用・洗濯用洗剤、ヘアカラー、強力接着剤、プール用薬剤、除草剤、ペットのノミ・ダニ駆除剤 | 化学組成と危険有害性の分類 |
| その他 | エッセンシャルオイル、プリンターのカートリッジ | 成分と処方 |
日本から米国アマゾンに出品する商品では、たとえば次のような品目がこの表に当てはまる可能性があります。アルコールを含む化粧水やミスト、スプレータイプの日焼け止め、ネイル製品、香水などのJビューティー商品、度数の高い焼酎やウイスキー、モバイルバッテリーや充電式の家電・ガジェットです。該当するかどうかは、個々の処方とSDSで決まります。
アマゾンの資料によると、審査の対象には、輸送・保管・廃棄の面で危険物として規制される商品と、GHSやCLPの化学品分類で危険有害性があるとされる商品が含まれます。後者は、ラベルの絵表示(ピクトグラム)で見分けられることが多くあります。
輸送のルールでは、危険物を9つの国連分類に分けます。SDSや船積書類にも記載される分類で、火薬類、高圧ガス、引火性液体、可燃性固体、酸化性物質と有機過酸化物、毒物と病毒を移しやすい物質、放射性物質、腐食性物質、その他の有害性物質(リチウム電池や環境有害物質を含む)です(IATA)。
そもそも販売も輸送もできない商品もあります。アマゾンは、火薬類、放射性物質、特定の引火性の高い燃料などは法的に輸送・販売できない場合があるとして、禁止商品のルールを確認するよう案内しています。
SDSか適用除外シートか:アマゾンが求める書類
出品を作成したとき、または出品をFBAに切り替えたとき、アマゾンは2種類の書類のどちらかを求めることがあります(セラーセントラル)。書類は、セラーセントラルの「Manage dangerous goods classification」(危険物分類の管理)ツールでアップロードします(Sell on Amazon)。
安全データシート(SDS)
SDSは、メーカーが化学製品について発行する標準的な書類で、危険有害性、組成、取り扱い、保管、輸送上の分類を記載します。入手先はメーカーです。アマゾンの資料では、既存の出品でSDSがアップロードされていない場合、アップロード済みのSDSが有効でない場合、その内容が出品情報と矛盾する場合にSDSが必要になるとしています。
日本では、化管法の対象となる化学物質や製品を他の事業者に譲渡・提供する際にSDSの提供が求められており、GHSに基づくJIS(JIS Z 7253)に適合したSDSの提供に努めることとされています(経済産業省「化管法SDS制度」)。国内取引用に作られたSDSが日本語のみの場合は、アマゾン用に、同じ製品・同じ処方の英語版をメーカーに用意してもらってください。
アップロードする前に、次の点を確認します。
- SDSの製品名が、出品する商品と一致していること。姉妹品や原料1種類のSDSではないこと。
- 内容が完全で読みやすく、英語で書かれ、実際に販売する処方に対して最新であること。
- 輸送に関する項目が出品情報(液体の容量や電池の種類など)と一致していること。
適用除外シート
適用除外シート(Exemption Sheet)は、商品が危険物に当たらない場合の代わりの書類です。アマゾンの資料では2つの用途が説明されています。出品の危険物情報が不完全な電池および電池で動く商品の場合と、有害な化学物質(例としてアルコール、酸、ナトリウム)を含まず、SDSを入手できない商品の場合です。
適用除外シートは、商品が危険物ではないと申告する書類です。商品の処方や電池の内容がそれと異なれば通用せず、リスクを負うのはお客様のアカウントです。
出品時にアマゾンが求める情報
- 電池:電池単体か、機器と同梱か、機器に内蔵か。リチウムイオン電池とリチウム金属電池では、ワット時定格量またはリチウム含有量。
- ガスと液体:容量。
- 危険有害性の情報:商品やSDSに表示されたGHSの絵表示と危険有害性の分類。
アマゾンの危険物審査の流れ
アマゾンのガイドでは、手順を次の順序で説明しています。商品が危険物かどうかを確認し、出品の作成時またはFBAへの切り替え時に危険物の情報を入力し、求められた書類をアップロードし、審査を待ち、その後は納品のたびに梱包基準と数量制限に従います。商品によってはFBAの危険物プログラムへの登録が必要で、特定の種類は少量危険物(Limited Quantity)として梱包しなければなりません。
- お客様とメーカー 商品を確認 電池、液体、エアゾール、化学品、GHSの絵表示
- お客様 出品情報を入力 電池、容量、危険有害性の情報
- お客様 書類をアップロード 求められた場合はSDSか適用除外シート
- アマゾン 審査 アマゾンの危険物チームがASINを分類
- お客様と運送会社 ルールに沿って出荷 分類に応じた梱包と数量制限
アマゾンが示す所要期間
危険物の情報と書類に関するアマゾンのセラー向けヘルプ資料には、次の期間が記載されています。この資料には日付がなく、マーケットプレイスも明記されていないため、目安として扱い、米国ストアでの現在の所要期間をセラーセントラルで確認してください。
- 情報が完全かつ正確な新規出品、またはFBAに切り替えた出品は、2営業日以内(月曜日〜金曜日、祝日を除く)に審査されます。
- すでにフルフィルメントセンターにある在庫について書類を求められた場合、アマゾンからのメール通知から14営業日以内に提出する必要があります。提出しないと、その在庫はセラーの負担で廃棄されます。
- 情報や書類が不足していると、納品の遅れや、お客様への配送のキャンセルにつながることがあります。
お客様のアカウントでの現在の所要期間は、セラーセントラルの危険物審査のページに表示されます。アマゾンのガイドも、完全で正確な情報がいちばん早い審査につながると、同じことを平易に述べています。
審査結果の意味
審査は、ASINの分類で終わります。危険物ではないと分類されれば、ほかの商品と同じようにFBAで扱われます。危険物と分類された場合は、アマゾンの危険物のルールの下でのみFBAで販売でき、プログラムへの登録、梱包基準、数量制限が課されることがあります。FBAではまったく販売できない商品もあります。まだ分類されていないASINの在庫は送らないでください。アマゾンは、情報や書類の不足が納品の遅れにつながると注意を促しています。
ブロックされたASINの解決方法
審査が止まる、ブロックされる原因の多くは、出品情報、書類、実際の商品の食い違いです。次の順序で確認してください。
- 状況を正確に読む。セラーセントラルの「Look up an ASIN」(ASINの検索)ツールで分類の状況を確認し(アマゾンの危険物に関する資料)、アマゾンが何を求めているかを書き留めます。書類か、不足している電池や容量の情報か、アマゾンが分類を完了できなかったのか、です。
- 出品データを確認する。「電池を含む」とされた出品や、液体の容量が入力された出品は、その前提で審査されます。何かをアップロードする前に、誤っている項目を修正します。
- 正しい書類を用意する。出品する商品そのものを記載したSDSをメーカーに依頼します。危険物に当たらない商品であれば、実際の処方や電池に合った適用除外シートを用意します。
- すべてを一致させる。製品名、出品の項目、書類が同じものを記載している必要があります。情報の矛盾は、アマゾンが新しいSDSを求める理由のひとつです。
- アップロードは1回にし、審査を待つ。同じ書類を何度アップロードしても、通常は結果は変わりません。
- 止まったままならエスカレーションする。「Not classified: Unable to classify」と表示されたASINに関するセラーフォーラムのスレッドでは、アマゾンの担当者がセラーサポート(Selling Partner Support)経由で危険物チームにチケットを送り、解決しています(アマゾン セラーフォーラム)。ASIN、書類、表示されている状況を添えてケースを作成してください。
ブロックされたASINの在庫がすでにフルフィルメントセンターにある場合は、まずアマゾンが示す書類の提出期限に対応するか、在庫を返送するかを判断します。選択肢はアマゾンFBAの返送・返品のガイドで説明しています。米国向けの貨物がアマゾンに届く前に留置されたり受取拒否されたりした場合は、貨物トラブル対応をご覧ください。
危険物に当たるかもしれない商品のFBA納品を計画中ですか?商品の詳細と安全データシート(SDS)をお送りください。分類と書類をお客様と一緒に確認し、ルールに沿って輸送、納品準備、配送ができる方法をご連絡します。
出荷する商品を知らせる危険物を日本から米国へ運ぶ:航空、海上、米国のルール
アマゾンの分類は、輸送には及びません。工場から米国までの危険物の輸送には、アマゾンの判断とは関係なく、荷送人であるお客様に適用される輸送のルールがあります。
日本側の準備
日本からの輸出では、税関への輸出申告に加えて、商品によっては安全保障貿易管理の確認が必要です。化学品、電子部品、機械などは、外為法に基づくリスト規制やキャッチオール規制の対象になる場合があり、該非判定は経済産業省ではなく輸出者自身が行います(経済産業省「安全保障貿易管理」)。航空便なら成田空港などから、海上便なら京浜港(東京・横浜)や阪神港(大阪・神戸)から出荷するのが一般的ですが、どの経路でも、危険物であることは予約の段階でフォワーダーと運送会社に伝えます。
航空:IATA危険物規則書
航空会社、フォワーダー、荷送人は、IATA危険物規則書(DGR)に従って、航空輸送する危険物の分類、表示、梱包、ラベル、書類作成を行います。IATAは毎年新しい版を発行しています。IATAによると、荷送人は認められた容器を使い、1個あたりの数量制限を守り、各包装にラベルを貼り、航空運送状とともに危険物申告書(Shipper's Declaration for Dangerous Goods)を作成しなければなりません。書類が不完全または誤っている貨物は受け付けられません。航空輸送の危険物を準備・引き渡す人には訓練が必要で、2年ごとに更新します。
リチウム電池には特に注意が必要です。PHMSAのリチウム電池ガイドによると、単体で貨物機により輸送するリチウムイオン電池(セル・電池)は充電率30%以下でなければならず、単体のリチウム電池はほとんどの場合、旅客機での輸送が禁止され、損傷・欠陥のある電池やリコール対象の電池は航空輸送が一切できません。
海上:IMDGコード
国際海上危険物規程(IMDGコード)は、容器入りの危険物を海上輸送する際のルールを定めています。梱包、コンテナの取り扱い、積付け、互いに危険な物質の隔離などです。2004年1月1日からSOLAS条約の下で強制化されており、2年周期で改正されます。危険物は港ではなく、船会社への予約の時点で申告してください。船会社はIMDGコードに加えて独自の制限を設けることがあります。
米国のルール:運輸省、PHMSA、49 CFR
米国では、危険物規則(49 CFR Parts 171〜180)を米国運輸省のパイプライン・危険物安全庁(PHMSA)が定めています。49 CFR 171.22により、貨物はICAO技術指針(航空)やIMDGコード(海上)に基づいて輸送できますが、条件があります。主な条件は次のとおりです。
- 危険物を米国に輸入する者は、その貨物に適用される米国の要件について、荷送人と入国港のフォワーダーに、適時に完全な情報を書面で提供しなければなりません。
- 輸送書類と包装の表示は英語でなければなりません(2か国語の表示は可)。
- 米国内の輸送では、該当する場合、緊急時対応、訓練、セキュリティ、事故報告、登録に関する米国の要件も満たす必要があります。
リチウム電池について、PHMSAはさらに、セルと電池がUN38.3試験に合格していること、メーカーとその後の流通業者が試験概要書を提供できるようにしておくことを求めています。完全規制の貨物には、49 CFR 172.704の危険物取扱従業員の訓練要件がかかります。違反すると、罰金や刑事訴追の対象になりえます。
宅配便やクーリエのネットワークは、法規より厳しいルールを設けていることが多く、特定の分類をまったく受け付けない会社もあります。アマゾンのフルフィルメントセンターまでの最後の区間も含め、予約の前に運送会社自身の危険物の方針を確認してください。
アマゾンの危険物審査でよくあるミス
- 先に出品して、SDSは後で頼む。工場や商社からSDSが届くまで数週間かかることがあります。発注の時点で依頼してください。
- 似た商品のSDSを使う。書類は、出品する商品そのものを記載している必要があります。
- 日本語のSDSをそのまま使う。アマゾンが求めるのは英語のSDSです。訳した版でも、製品名と処方が一致しているかを確認します。
- 電池や液体の項目を推測で入力する。誤った項目は、本来必要のない審査や、商品に合わない分類の原因になります。
- 分類の前に出荷する。審査が終わる前に届いた在庫は待たされることがあり、すでにフルフィルメントセンターにある在庫に求められた書類には期限があります。
- アマゾンの承認を輸送の承認と考える。航空会社、船会社、宅配便会社は、それぞれ独自のルールを適用します。
- 危険物と一般の商品を、申告せずに同じカートンに入れる。申告されていない危険物があると、貨物全体が止まることがあります。
- 納品準備のルールを忘れる。2026年1月1日以降、アマゾンは米国のFBAプログラムで商品の納品準備やラベル貼付を行っていません。到着時に商品に必要なことは、2026年のアマゾンFBA納品準備要件とFNSKUラベルとメーカーのバーコードの違いをご覧ください。
出品前のチェックリスト
- すべてのSKUについて、電池、液体、エアゾール、アルコール、溶剤、オイル、危険有害性の絵表示の有無を確認します。
- 該当する可能性のある商品ごとに、商品名を明記した英語のSDSをメーカーに依頼します。
- 出品の電池、容量、危険有害性の項目は、記憶ではなくSDSに基づいて入力します。
- 輸送を予約する前に、アマゾンの分類を待ちます。
- 化学品や電子部品は、日本からの輸出で安全保障貿易管理の該非判定が必要かどうかを確認します。
- カートンの中身をフォワーダーや運送会社に正確に伝え、航空・海上での引き受けを書面で確認します。
- アマゾン向けの納品準備、ラベル貼付、カートンを計画します。FBAの箱とパレットの要件と海外からアマゾンFBAへ在庫を送る方法をご覧ください。
アバンロは、海外にあるお客様の倉庫からドア・ツー・ドアで流れ全体を担います。国際輸送、米国の通関、ロサンゼルス港・ロングビーチ港の近くでの受け入れ、アマゾンFBA納品準備とラベル貼付、アマゾンへの配送までです。危険物については、適用される要件に従い、商品に応じて適切な許可を持つ運送会社、倉庫、専門パートナーを利用して各工程を手配します。個々の商品を受け入れられるかどうかは、その分類、梱包、書類、ASINについてのアマゾンの判断によって決まり、出荷の前に確認します。
このガイドは一般的な情報であり、法務上・規制上の助言ではありません。アマゾンの方針や輸送の規則は変わるため、出荷の前に、お客様の商品、運送会社、マーケットプレイスについて現在のルールを確認してください。
出典・参考資料
- アマゾンFBAセラーが知っておくべき危険物の基礎(2025年1月4日), Sell on Amazon(アマゾン)ブログ
- 危険物の必要情報と書類(ハズマット)(日付・マーケットプレイスの記載なし), アマゾンのセラー向けヘルプ資料(PDF)
- 危険物の審査プロセス(ヘルプページ、要サインイン), セラーセントラル(アマゾン)
- 安全データシート(SDS)と適用除外シート(ヘルプページ、要サインイン), セラーセントラル(アマゾン)
- 「Not classified: Unable to classify」へのアマゾン担当者の回答, アマゾン セラーフォーラム
- 危険物規則書(DGR), 国際航空運送協会(IATA)
- 航空による危険物輸送の基礎知識, IATA Knowledge Hub
- 国際海上危険物規程(IMDGコード), 国際海事機関(IMO)
- 荷送人向けリチウム電池ガイド(2024年10月改訂), 米国運輸省 パイプライン・危険物安全庁(PHMSA)
- 49 CFR 171.22:国際基準・規則の使用に関する許可と条件, 米国運輸省 パイプライン・危険物安全庁(PHMSA)
- 化管法SDS制度, 経済産業省
- 安全保障貿易管理, 経済産業省
出典確認日