米国アマゾンFBAのインバウンド配置料金とキャパシティ制限:日本から出荷するセラーの在庫計画
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日本から米国のアマゾンFBA(Amazon FBA)に出荷する場合、インバウンド配置料金、毎月のキャパシティ制限、低在庫レベル手数料によって、何をいつ、いくつのフルフィルメントセンターに送るかが決まります。このガイドでは、2026年10月時点でのそれぞれのしくみ、アマゾンが確認している数値、そして日本からの出荷をそれに合わせて計画する方法を解説します。
日本から出荷すると、配置とキャパシティがより重要になる理由
米国内のセラーなら、毎週少量ずつ送り、売れ行きに合わせて調整できます。日本のセラーは通常、数か月先を見越して海上輸送を決め、太平洋を渡る数週間の輸送、通関、納品準備を経て、ようやくアマゾンに商品が届きます。ロサンゼルス港の統計では、2025年の同港にとって日本は第3位の貿易相手でした。こうした計画を左右するアマゾンのルールは3つあります。
- インバウンド配置料金:アマゾンが望むより少ない納品先に送ることを選ぶと、1点ごとに請求されます。
- キャパシティ制限:送って保管できる在庫の量の上限で、立方フィートで測られ、作成済みでまだ届いていない納品も含まれます。
- 低在庫レベル手数料:販売数に比べてアマゾンでの在庫が継続的に少ないと、追加で請求されます。
この3つは、互いに逆の方向に働きます。送りすぎれば上限に達し、送らなすぎれば在庫不足の手数料を払うことになります。このガイドでは、これらのルールに絞って解説します。工場からフルフィルメントセンターまでのルート全体は、海外からアマゾンFBAへ在庫を送る方法のガイドをご覧ください。
Send to Amazonで納品が分割されるしくみ
Send to Amazonで納品を作成するときは、SKU、数量、箱の中身を入力します。するとアマゾンが、1つ以上の配置の選択肢を提示します。各選択肢は納品先のフルフィルメントセンター(アマゾンは「インバウンドロケーション」と呼びます)の組み合わせで、在庫は納品先ごとに別々の納品に分割されます。
フルフィルメントセンターを自分で選ぶことはできません。アマゾンが提示する選択肢の中から選び、選択肢ごとに、送る納品先の数とかかる配置料金が異なります。アマゾンによると、表示される選択肢の数は次の要素で決まります(セラーフォーラムでのアマゾン担当者の回答)。
- 商品の組み合わせ:標準サイズ、標準外サイズ、特別な取り扱いが必要な商品が1つの納品に混ざっているか。
- 箱の中身:各箱に同じSKUの組み合わせと数量が入っているか。
- 数量:商品ごとの点数と箱の数。
- 地域:お客様の商品の需要がどこにあるか。
選択肢を増やすためのアマゾン自身の助言も、このリストから導かれます。標準サイズの商品、標準外サイズの商品、特別な取り扱いのカテゴリーごとに納品を分け、箱ごとの商品の組み合わせと数量をそろえ、箱の数を増やすことです。実務上は、納品を作成する前にカートンをアマゾン向けに組んでおく必要があり、商品がすでに米国にあって詰め替えができるほうが対応しやすくなります。カートンの仕様は、アマゾンFBAの箱とパレットの要件のガイドで解説しています。
インバウンド配置料金と、その選択肢
アマゾンは2024年3月1日にインバウンド配置サービス料金(Inbound placement service fee)を導入しました。発表では、この手数料は標準サイズと大型・重量物(Large Bulky)の商品に適用され、導入時の平均は標準サイズで1点あたり$0.27、大型・重量物で1点あたり$1.58、請求は商品の受け入れから45日後とされていました(アマゾンの2024年の手数料の発表)。アマゾンはこの手数料を、顧客に近いフルフィルメントセンターへ在庫を分配する費用をまかなうものと説明しています(アマゾン、FBAの費用)。
3つの配置の選択肢
| 選択肢 | 納品先 | 配置料金 | 補足 |
|---|---|---|---|
| アマゾン最適化の分割(Amazon-optimized shipment splits) | アマゾンが選ぶ複数の納品先 | なし | 対象になるには、商品ごとに同一のカートンまたはパレットが5つ以上必要 |
| 部分分割(Partial shipment splits) | アマゾン最適化より少ない納品先 | 割引された料金 | 2025年2月20日以降に作成した納品プランでは、標準サイズの商品には使えない。大型・重量物には提供 |
| 最小分割(Minimal shipment splits) | 最も少ない納品先、通常は1か所 | 最も高い料金 | 料金は納品先によって異なることがあり、西部の納品先は高くなる場合がある |
各選択肢の説明、5カートンのルール、2025年2月20日の部分分割の変更、西部の納品先についての注記は、アマゾンのFBAチームによるものです(インバウンド配置の選択肢に関するアマゾンの投稿)。同じ更新でアマゾンは、2025年1月15日から、最小分割での大型・重量物の料金を1点あたり平均$0.58引き下げたとしています。
配置料金を左右する要素
アマゾンが公表している内容によると、1点あたりの配置料金は次の要素で決まります。
- 選ぶ選択肢:アマゾン最適化ならなし、部分分割や最小分割なら手数料がかかる。
- 商品のサイズ区分:標準サイズと大型・重量物で料金が別。
- 最小分割の納品先の地域:西部の納品先は高くなる場合がある。
- 最新の料金表:アマゾンは毎年、米国のFBA手数料を改定します。2026年の改定は2026年1月15日に発効し、アマゾンは手数料体系をより細かくしたとしています(アマゾンの2026年の手数料の発表)。
2026年10月時点では、お客様の商品の1点あたりの料金を、セラーセントラルのアマゾンのインバウンド配置サービス料金のページか、収益計算ツール(Revenue Calculator)で確認してください。上の平均値は導入時と2025年の更新時のアマゾンの数値で、特定の商品の現在の料金ではありません。
選択肢は需要によって変わる
配置の選択肢は固定されていません。アマゾンはある時期、パレット貨物を含め、西海岸の施設へ在庫を送りたいセラーの需要が高く、そこでの受け入れ時間が長くなっていると説明しました。そして部分分割や最小分割では中部や東部の地域を選ぶよう助言し、東部地域への最小分割の料金の幅を1点あたり$0.05引き下げました(西部地域の受け入れ時間に関するアマゾン担当者の回答)。日本からの貨物をロサンゼルスやロングビーチで陸揚げするセラーにとっては、書類上いちばん安い選択肢が貨物を米国の反対側まで運ぶことになる場合もあります。アマゾンの手数料だけでなく、輸送全体の費用で比べてください。
FBAのキャパシティ制限とCapacity Manager
2023年3月1日以降、アマゾンは、それまでの週ごとの在庫補充上限と別建ての保管上限に代えて、保管タイプごとに毎月1つのキャパシティ制限を設けています(アマゾンのキャパシティに関する発表)。アマゾンの説明の要点は次のとおりです。
- 立方フィートで測る:上限と使用量は点数ではなく立方フィートで測られ、点数の目安も参考として表示されます。
- 輸送中の分も数える:上限には、手元の在庫に加えて、作成済みでまだ届いていない納品も含まれます。
- 毎月通知される:翌月の上限は、毎月第3週(その月で3番目の丸1週間)にCapacity Monitorとメールで示され、その後2か月分の見込みも示されます。
- 実績と予測にもとづく:見込みの上限は、在庫パフォーマンス指標(IPI)で測られるキャパシティの使い方の効率に加え、販売予測、納品のリードタイム、フルフィルメントセンターの受け入れ能力によって上下します。
Capacity Managerで追加を申請する
上限が低すぎる場合は、Capacity Managerで予約料金を提示して、キャパシティの追加を申請できます。アマゾンは、1立方フィートあたりの予約料金が高い申請から順に、利用できるキャパシティがなくなるまで割り当てます。追加のキャパシティが認められると、そのスペースを使った販売に応じてパフォーマンスクレジットが付与され、このクレジットは予約料金の最大100%を相殺するように設計されています。つまり予約料金が主に負担になるのは、追加の在庫が売れ残った場合です。
アマゾンは、在庫補充上限を超えると保管費用が増える場合があるとも説明しています(アマゾン、FBAの費用)。日本から出荷するセラーにとっての実務上のルールはシンプルです。海上輸送で送る量とアマゾンのキャパシティは別の数字であり、その差の分には待機する場所が必要です。
低在庫レベル手数料
低在庫レベル手数料(Low-inventory-level fee)は2024年4月1日に始まりました。アマゾンの説明では、この手数料は過去の在庫日数、つまり実際の販売数に対する在庫の量にもとづき、短期(直近30日)と長期(直近90日)の両方の数値が28日を下回った場合にのみかかります(アマゾンによる手数料の説明)。導入時、アマゾンは標準サイズの商品について親商品の単位で計算し、次の免除を挙げていました。
- 新規の大口出品のセラー:最初の在庫が受け入れられてから365日間。
- FBA New Selectionに登録した、FBAで新しく扱う親商品:最初の在庫が受け入れられてから180日間。
- AWD(Amazon Warehousing and Distribution)で自動補充される商品。
2024年5月15日から、アマゾンは、直近7日間の販売数が20点未満の商品にはこの手数料がかからないこと、アマゾン側の納品処理に時間がかかりすぎたことで生じた手数料は翌月15日までに返金されることを追加しました(手数料の改定に関するアマゾンの告知)。
アマゾンの2026年の米国の手数料改定は2026年1月15日に発効しています。28日の基準に合わせて計画する前に、セラーセントラルの低在庫レベル手数料のページで、最新のルール、手数料を計算する単位、免除の条件を確認してください。
この手数料を避ける簡単な方法は、アマゾンが手数料を発表したときに示したとおり、販売数に対して4週間分を超える在庫をアマゾンに置いておくことです。次の納品が太平洋を渡る船旅の先にあると、これは難しくなります。日本から出荷するセラーが米国に在庫の余裕を持たせる主な理由です。
計算例:コンテナ1本、納品は複数回
以下の数値は、考え方を示すために選んだ架空のものです。市場データやアマゾンの料金ではありません。
日本の生活雑貨ブランドが、標準サイズのSKUを1つ、米国で1日約30点販売しているとします。海上コンテナ1本で9,000点、約300日分の販売量を送ります。この保管タイプの毎月のFBAキャパシティは、約2,400点に相当します。
- すべてをアマゾンに送ることはできません。コンテナの中身はキャパシティ制限のほぼ4倍で、作成した納品は到着前でも上限にカウントされます。
- 2,400点だけを工場から直接送るのはリスクがあります。次の納品が数か月先なら、届くよりずっと前に在庫が4週間分を下回り、低在庫レベル手数料、さらには在庫切れのリスクが生じます。
- 米国で在庫を待機させる方法が有効です。コンテナは米国の倉庫へ送ります。最初の補充として約1,800点(60日分)をアマゾンへ送り、その後は毎月約900点(30日分)ずつ、キャパシティ内に収まり、かつ約4週間分の在庫を下回らない量で送ります。
- 補充のたびに、アマゾン最適化の分割の対象になるよう組みます。900点を1カートン30点で詰めれば、1SKUの同一カートンが30箱で、アマゾンが求める商品ごとに同一カートン5箱という最低条件を大きく上回ります。アマゾンが最適化の分割を提示すれば、その納品に配置料金はかからず、費用はカートンを複数の納品先に分けて送る分になります。
ここで比較します。最小分割の配置料金が1点あたり$0.30だと仮定すると、900点で1回の補充につき$270です。3〜4か所の納品先への宅配便の追加費用がそれより少なければ、最適化の選択肢が有利です。LTLでパレットを送り、納品先が1つ増えるごとに運賃がまるごと加わるなら、全体としては最小分割のほうが安いかもしれません。答えは商品とその日にアマゾンが提示する選択肢で変わるため、この比較は納品ごとに実際の見積もりで行ってください。
コンテナ1本で送り、アマゾンには小分けで補充しませんか?アバンロが米国で受け入れ、保管し、納品準備を行い、キャパシティに合わせた量で補充を送ります。
FBAの補充を計画する日本から出荷するセラーの戦略
1. アマゾンに直接ではなく、米国のパートナーへまとめて1回で送る
大きな海上貨物を1回で送るほうが、少量を何度も送るより1点あたりの費用は通常安く、日本での輸出申告も米国での輸入申告も1回で済みます。輸出申告では、インボイスなどを添えて税関に申告し、輸出許可を受けます(税関のカスタムスアンサー5001)。輸出許可書は、消費税の輸出免税の証明としても保存が必要な書類です(国税庁タックスアンサーNo.6551)。米国でも、輸出国の税関に提出した書類の提出を求める方針が大統領令14411で指示されています(2026年10月時点で実施は未定)。米国の倉庫に届いた貨物は、受け入れ、検数、検品を経て、キャパシティに合った納品としてアマゾンへ送り出せます。アバンロは、ロサンゼルス港・ロングビーチ港に近い倉庫でこれに対応します。受け入れ、保管(1パレット・1か月あたり$49から)、アマゾンFBA納品準備(標準の納品準備は1点あたり$1.20から)、フルフィルメントセンターへの転送(1カートンあたり$5から)です。料金はすべて基本料金で、料金ページに掲載しています。
2. FBAの納品は、商品が米国に着いてから作成する
作成した納品はキャパシティにカウントされるため、コンテナがまだ海上にある間に作成すると、数週間にわたってキャパシティを占有します。各納品は、カートンが米国の倉庫を出る準備ができた時点で作成し、配置の選択肢が実際にある在庫と一致するようにします。
3. 選択肢が増えるカートンを組む
数量をそろえた1SKUのカートンを、商品ごとに5箱以上用意し、標準サイズと大型の商品は別々の納品にすれば、アマゾンが選択肢を増やすために必要だとしている条件を満たせます。工場が中身の混在したカートンで梱包する場合は、納品を作成する前に、米国のパートナーがアマゾン向けのカートンに詰め替えできます。商品のラベルも正しく貼る必要があります。FNSKUラベルとメーカーのバーコードと2026年のアマゾンFBA納品準備要件をご覧ください。
4. 納品ごとに総費用で比べる
各選択肢の配置料金と、その選択肢で必要になる納品先までの運賃を並べて比べます。南カリフォルニアからのパレットなら、西部の1か所への最小分割のほうが、米国全土に分かれる最適化の分割より全体として安い場合もあれば、その逆の場合もあります。納品ごとに判断してください。
5. 在庫日数を守るスケジュールで補充する
在庫が米国にあれば、アマゾンまでのリードタイムは、数か月ではなく、米国内の輸送と受け入れにかかる数日から数週間になります。そのため、キャパシティを超えずに、アマゾンに4週間分を超える在庫を置き続けることが現実的になります。Capacity Monitorを毎月確認し、上限が変わる前に次の補充を調整してください。
6. 売れない在庫の出口を用意しておく
キャパシティはIPIと連動しており、アマゾンでの動きの遅い在庫はIPIを下げます。余剰分をアマゾンではなく米国の倉庫に置いておけば上限を守れます。また、アマゾンから引き上げる商品には米国内の届け先が必要です。その点はアマゾンFBAの返送と返品のガイドで解説しています。
よくあるミス
- 工場の段階でFBAの納品を作成する。数週間にわたってキャパシティを確保してしまい、カートンが計画どおり届くかわからないうちに配置が決まってしまいます。
- 中身の混在したカートン。箱ごとにSKUや数量が違うと、配置の選択肢が少なくなり、手数料を払う可能性が高くなります。
- 配置料金だけを費用と考える。手数料を節約しようと最適化の分割を選び、LTLの運賃を何度も払うと、かえって高くつくことがあります。
- 海上貨物の量をアマゾンの上限に合わせる。今月のキャパシティに合わせた量は、到着するころには少なすぎたり、上限が下がって多すぎたりします。
- コンテナとコンテナの間に在庫を切らす。納品の間隔が長いと、低在庫レベル手数料と販売機会の損失につながります。
- 古い手数料の数値に頼る。アマゾンは毎年手数料を改定します。ブログ記事や導入時の平均値ではなく、最新の料金表を使ってください。
港からアマゾンまでコンテナがどう動くかは、ロサンゼルス港からアマゾンFBAへのガイドをご覧ください。
出典・参考資料
- FBAインバウンド配置サービス料金(ヘルプページ、ログインが必要), アマゾン セラーセントラル
- インバウンド配置の選択肢:2025年の更新(FBAチームの投稿), アマゾン セラーフォーラム
- インバウンド配置の選択肢の数に影響する要素(アマゾン担当者の回答), アマゾン セラーフォーラム
- 西部地域の受け入れ時間と配置の選択肢(アマゾン担当者の回答), アマゾン セラーフォーラム
- 米国の販売手数料とFBA手数料の改定(2024年の変更), アマゾン セラーフォーラム、ニュースとお知らせ
- 2026年の米国の販売手数料とFBA手数料の改定, アマゾン セラーフォーラム、ニュースとお知らせ
- FBAの新しいキャパシティ管理システムの発表, アマゾン(sell.amazon.com)
- 低在庫レベル手数料の詳しい説明, アマゾン セラーフォーラム、ニュースとお知らせ
- 低在庫レベル手数料の改定, アマゾン セラーフォーラム、ニュースとお知らせ
- フルフィルメント by Amazon:費用と手数料のページ, アマゾン(sell.amazon.com)
- Facts and Figures(日本は2025年の第3位の貿易相手), ロサンゼルス港
- カスタムスアンサー 5001 輸出通関手続, 税関
- タックスアンサー No.6551 輸出取引の免税, 国税庁
- 大統領令14411「Strengthening Customs Enforcement」(91 FR 35125、2026年6月10日), 米国連邦官報(Federal Register)
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