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日本の輸出企業のための米国市場の機会

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次の市場として米国を検討している日本のブランドとメーカー向けのガイドです。対米輸出の現状、日本の商品に余地がある消費財の分野、各分野が満たすべき米国の規則、主な販路、在庫を本格的に投入する前に需要を確かめる方法を紹介します。

日本がすでに米国に輸出しているもの

財務省の令和7年分の貿易統計(確々報)によると、2025年の日本の対米輸出額は20兆3,744億円で、前年より4.3%減りました。品目のグループ別では、輸送用機器が33.8%、一般機械が22.8%、電気機器が14.2%を占めています。米国側の統計(米国国勢調査局)でも、2025年の日本からの財の輸入額は1,458億ドルでした。

日本の対米輸出の主な品目(2025年、財務省の貿易統計)
品目対米輸出に占める割合
自動車26.2%
自動車の部分品5.4%
建設用・鉱山用機械4.1%
医薬品1.9%
半導体等製造装置1.8%

出典:財務省「令和7年分 貿易統計(確々報)」(2026年3月12日公表)。同じ資料では、自動車が前年比11.4%減(5兆3,400億円)、自動車の部分品が10.7%減、半導体等製造装置が30.2%減となっており、最大の分野でも短期間で大きく動くことがわかります。統計は定期的に更新されるため、数字を引用する前に最新版を確認してください。

食品は伸びている分野です。農林水産省によると、2025年の農林水産物・食品の輸出額は約1兆7,005億円(前年比12.8%増)で、輸出先の第1位は米国でした。2026年の食料・農業・農村白書は、2025年4月の米国の関税措置の後も米国向けが前年比13.7%増えて過去最高となり、緑茶やぶりが大きく伸びたとしています。

上位の品目は大手メーカーが中心です。中小のブランドにとって大切なのは、新しい商品が入り込める消費財の分野はどこか、どの規則がかかるか、運賃と関税を払ったあとも利益が残る販路はどれか、という点です。日本製品にかかる米国の関税も2026年に変わりました。2026年10月時点で、2026年7月24日以降に輸入申告された日本製品には、除外品を除き、通商法301条に基づいて通常の関税と合わせて合計12.5%となる関税がかかります(USTRの告示、2026年7月28日)。関税の計算方法はガイド日本からアメリカへの輸送で説明しています。

日本のブランドに余地がある消費財の分野

中小のブランドにとっての「チャンス」を示す公的なランキングはないため、以下は市場データではなく、自社で調べる際の出発点として使ってください。いずれも、日本製であることや産地、商品の背景にある物語が、米国のバイヤーが対価を払う理由の一部になりやすく、少量の出荷やテストマーケティングが現実的な分野です。

  • 加工食品・飲料:緑茶や抹茶、調味料やソース、菓子、だしなどの常温保存できる食品。コールドチェーンなしで輸送・保管できる常温保存の商品が、最も試しやすい分野です。
  • 美容・パーソナルケア(Jビューティー):スキンケア、ヘアケア、日焼け止めなど。規制対応は中程度ですが、処方や表示に米国向けの変更が必要になることがよくあります。
  • 刃物、テーブルウェア、生活雑貨:包丁、食器、金属洋食器、陶磁器、文具、ギフトなど。独立系の小売店や専門店、ネット通販で売られることが多い分野です。
  • アパレル、テキスタイル、雑貨:素材や縫製の品質を打ち出せる衣料品や小物。表示の規則は細かいものの、対応できる範囲です。
  • スポーツ、自転車、アウトドア用品:専門店やネット通販で売れる専門的な部品、アクセサリー、ウェア。
  • 電子機器のアクセサリーとオーディオ:利益率は高めですが、無線機能や電池を含む製品には厳しい規則があります。
  • 玩具、キャラクター商品、子ども向け製品:デザイン性の高い商品には需要がありますが、ここに挙げた消費財の中で最も厳しい試験の制度があります。

日本酒、焼酎、ウイスキーなどの酒類、サプリメント、医療機器、医薬品も米国で大きな機会になりえますが、別の許認可や承認の制度(酒類はTTBの規則など)の対象となるため、このガイドでは扱いません。

分野別の米国の規則

米国の規則は連邦の機関が定め、州が独自の規則を加えることもあります。日本の法令への対応は土台になりますが、以下のどの手続きの代わりにもなりません。米国向けのパッケージを印刷したり在庫を出荷したりする前に確認してください。

商品分野ごとの米国の所管機関と主な要件
分野米国の機関準備すべきこと
食品・飲料FDA(牛肉はUSDA FSIS)食品施設登録、貨物ごとのPrior Notice(事前通知)、FSVP輸入者、栄養成分表示とアレルゲンを含む米国の表示
化粧品・パーソナルケアFDAMoCRAに基づく施設登録と製品リスティング、表示上の責任者、安全性の記録、米国の成分表示
衣料品・家庭用繊維製品FTC繊維の組成、原産国、製造者・販売者の名称またはRN番号を記載した表示
電子機器・無線製品FCC無線周波数のエネルギーを出す機器の機器認証、電池については運送会社の規則
子ども向け製品・玩具CPSC第三者機関での試験と子ども向け製品証明書(CPC)

食品・飲料

米国向けの食品を製造、包装、保管する施設はFDAに登録し、2年ごとに更新する必要があります。現在の更新期間は2026年12月31日までです。貨物ごとにPrior Noticeが必要で、表示は栄養成分表示(Nutrition Facts)、原材料、主要な食物アレルゲン、米国の慣用単位とメートル法の両方による内容量など、米国の形式に従います。日本の表示がそのまま使えることはまずありません。緑茶では、農林水産省も米国の残留農薬基準への対応を課題に挙げています。和牛は、米国農務省食品安全検査局(FSIS)が日本について認めているのが生の牛肉のみで、FSISが認めた施設のものに限られます。出荷の手順はガイド米国へ食品を輸入する方法をご覧ください。

化粧品・パーソナルケア

化粧品規制近代化法(MoCRA)により、化粧品を製造・加工する施設はFDAに登録し、表示に名前が載る責任者は製品ごとにリスティングを行い、安全性を裏付ける記録を保管しなければなりません。日焼け止めは、米国では一般用医薬品(OTC医薬品)として規制されます。詳しくはガイド海外の美容ブランドのためのMoCRA対応をご覧ください。

衣料品・繊維製品

FTCの繊維製品・羊毛製品の表示規則により、ほとんどの衣料品と家庭用繊維製品には、繊維の一般名と重量による割合、原産国、製造者・販売者の名称または登録識別番号(RN番号)を表示する必要があります。靴と帽子は繊維製品の表示法の対象外ですが、羊毛を含む帽子やスリッパは羊毛製品の表示法の対象になります。

電子機器

ワイヤレススピーカーからスマート機器まで、無線周波数のエネルギーを出す製品は、米国で販売する前にFCCの機器認証が必要です。認証はFCCが認める試験所での試験を経て、認証機関による認証または適合宣言の手続きで行います。日本の技適マークはFCCの認証の代わりにはなりません。リチウム電池を含む製品は航空輸送にも制限があり、サンプルや在庫の送り方に影響します。

子ども向け製品

玩具などの子ども向け製品(12歳以下向け)は、米国で最も規制の厳しい消費財の一つです。CPSCが認めた第三者機関での試験と、米国の輸入者または製造者が発行する英語の子ども向け製品証明書(CPC)が必要です。2026年7月8日からは、多くの規制対象の消費者製品について、輸入者が証明書をCBPに電子提出することも求められています。キャラクター商品や玩具を最初の分野に選ぶ前に、米国での試験の予算を組んでください。

販路:アマゾン、小売、ディストリビューター、直販

日本のブランドが使える米国の販路の比較
販路得られるもの必要なもの
アマゾン米国の消費者とレビューへの速いアクセスアマゾンに届く前に納品準備とラベル貼付を済ませた商品、米国の在庫、広告予算
小売ブランドの露出と継続的な注文小売業者の利益分、取引先登録、配送ルールと表示の順守
ディストリビューター・卸売業者多くの店舗と地域への広がり流通段階ごとの利益分、販売地域と独占権の明確な条件
直販(D2C)顧客データ、主導権、利益の全額米国の在庫とフルフィルメント、マーケティング、返品対応

アマゾン。2026年1月1日以降、アマゾンは米国で納品準備と商品ラベル貼付のサービスを提供していないため、商品はそのまま販売できる状態でフルフィルメントセンターに届ける必要があります。Amazon.co.jpでFBAを使っている場合も、米国の要件は別に確認してください。梱包と表示の要件はガイド2026年のアマゾンFBA納品準備の要件に、アカウントと輸入者の面は米国法人なしで米国アマゾンで販売する方法にまとめています。

小売とディストリビューター。小売業者もディストリビューターも利益分を取るため、アマゾンで成り立つ価格が店頭では成り立たないことがあります。価格表を送る前に、海外ブランドのための米国の卸売流通のしくみ、米国の小売バイヤーへの売り込み方、米国市場向けの価格設定を読んでください。

直販(越境EC)。日本から注文ごとに小包を送る越境ECでは、少額免税制度(デミニミス)が2025年8月29日からすべての国について停止されているため、小包ごとに米国の税関で輸入申告され、関税がかかる場合は支払いが必要です。直販を行う多くのブランドは、まとめて米国の在庫拠点に送り、そこから注文を出荷しています。たとえば米国でのネット通販のフルフィルメントを使う方法です。

少量の出荷で需要を確かめる

コンテナを手配したりディストリビューターと契約したりする前に、少量で計画的なテストマーケティングを行えば、米国のバイヤーが自社の商品を求めているか、いくらなら、どの販路でかがわかります。実用的なテストは、1つの地域、絞り込んだバイヤーのリスト、1〜2品目、決まった期間、書面の評価表で構成します。方法はガイド米国のバイヤー25社で商品をテストする方法で説明しています。

図1 日本のブランドによる米国での小規模なテストマーケティング
  1. 出荷前 規則に適合させる 1〜2品目の米国の表示、登録、試験
  2. 国際宅配便、航空、LCL 少量を出荷 数カートンか数パレットを米国の在庫拠点へ
  3. 1〜4週目 サンプルと提案 絞り込んだバイヤーにサンプルと条件を送る
  4. 4〜12週目 フォローアップ 注文、断られた理由、再注文を評価表に記録
  5. テスト終了時 判断 拡大する、条件を見直す、または撤退する

最初の出荷は少量で構いません。数カートンや数パレットなら、国際宅配便、航空貨物、LCLのいずれも使えます。比較はガイドコンテナを使わずに最初の100個の商品を米国へ送る方法をご覧ください。一部をサンプルとして米国に置いておけば、バイヤーに数週間ではなく数日で届けられます。方法は米国のバイヤーへの商品サンプルの送り方で説明しています。アバンロは、こうした少量の貨物を米国で受け入れ、そこからサンプルと最初の注文を出荷できます。

例(架空のケース)。大阪のスキンケアブランドが、人気の3品目について、米国の独立系小売店が再注文するかどうかを知りたいと考えています。

このブランドはMoCRAの登録とリスティングを済ませ、表示を米国向けに変更し、2パレットをLCLで米国の倉庫へ送ります。1つの地域のスパやブティックに絞ってサンプルを送り、3か月間、反応と再注文を記録してから、ディストリビューターに声をかけるかどうかを決めます。リスクにさらす資金は、2パレット分の在庫、表示の変更、営業の時間に限られます。

対米輸出に使える日本の公的支援

  • ジェトロ(日本貿易振興機構)。ジェトロは、米国の輸入規則を日本語でまとめた「貿易管理制度|米国」のページを公開しています。CBP、FDA、USDAの規則、輸入が禁止・制限される品目、原産国表示などを確認する出発点になります(関税の記述は2026年の変更より前の内容が含まれるため、最新の告示とあわせて確認してください)。食品では、米国の現地の商流への参入支援、FSMAやFDAの施設登録に関するセミナー、米国の小売店でのテスト販売などの事業も行っています。
  • 貿易統計と農林水産物の輸出データ。財務省の貿易統計は国・品目別の輸出の動きを、農林水産省は農林水産物・食品の輸出実績を毎年公表しており、自社の分野の動向を確かめるのに役立ちます。
  • 日本貿易保険(NEXI)。株式会社日本貿易保険は政府が100%出資する公的な輸出信用機関で、企業の輸出、投資、融資を貿易保険で支えています。
  • 商工会議所。日本産の非特恵原産地証明書を発給しており、米国のバイヤーや銀行から求められたときに利用します。

支援事業と対象条件は変わるため、計画に組み込む前に各機関で最新の内容を確認してください。

日本のブランドの米国市場参入でアバンロにできること

アバンロは、海外のセラーのためのドア・ツー・ドア物流のパートナーで、ロサンゼルス港・ロングビーチ港に近い南カリフォルニアに施設があります。米国での最初の販売に向けて、日本の倉庫で少量の貨物を集荷して輸送し、輸送の一環として米国の通関手続きに対応し、受け入れと検品を行い、サンプル発送のためにサンプルを在庫として保管し、アマゾン、小売業者、お客様へ注文を出荷します。

食品と美容のブランドには、南カリフォルニアのバイヤーに向けた小規模な米国市場参入プログラムもあります。常温保存可能な食品向けの食品・飲料の米国市場参入と、美容・パーソナルケアの米国市場参入です。当社が商品を選定したバイヤーに紹介し、サンプル提供と実際の販売の機会をつくります。発注するかどうかは各バイヤーが決めます。全体の流れは米国市場参入のページをご覧ください。

製造している商品、想定している米国の販路、表示の準備状況をお知らせください。最初の一歩にふさわしい方法をご提案します。

米国市場参入について相談する

このガイドは一般的な情報であり、法務・規制上の助言ではありません。各機関の要件、関税率、支援事業は変わるため、出荷前に自社の商品について確認してください。

出典・参考資料

  1. 令和7年分 貿易統計(確々報), 財務省
  2. 日本との財の貿易(米国の輸入統計), 米国国勢調査局(Census Bureau)
  3. 2025年の農林水産物・食品の輸出実績, 農林水産省
  4. 令和7年度 食料・農業・農村白書 第4章第1節, 農林水産省
  5. 各国・地域に対する通商法301条調査に基づく措置の告示(91 FR 47318、2026年7月28日), 米国通商代表部(USTR)、米国連邦官報
  6. 化粧品規制近代化法(MoCRA、2022年), 米国食品医薬品局(FDA)
  7. 繊維製品・羊毛製品の表示規則の解説, 米国連邦取引委員会(FTC)
  8. 食品施設登録の2年ごとの更新に関する案内, 米国食品医薬品局(FDA)
  9. 輸入が認められる外国施設の一覧, 米国農務省食品安全検査局(FSIS)
  10. 子ども向け製品証明書(CPC), 米国消費者製品安全委員会(CPSC)
  11. 貿易管理制度|米国, 日本貿易振興機構(ジェトロ)
  12. 株式会社日本貿易保険(NEXI), 株式会社日本貿易保険

出典確認日

よくあるご質問

米国は日本の食品輸出の最大の相手国ですか?

はい。農林水産省によると、2025年の農林水産物・食品の輸出額は約1兆7,005億円で、輸出先の第1位は米国でした。2026年の白書は、米国向けが前年比13.7%増で過去最高となり、緑茶やぶりが大きく伸びたとしています。

2026年に日本製品は米国の関税の対象になりますか?

はい。2026年10月時点で、2026年7月24日以降に輸入申告された日本製品には、通商法301条に基づき、通常の関税と合わせて合計12.5%となる関税がかかります。通常の税率が12.5%以上なら301条の関税はゼロで、附属書の記載品と通商拡大法232条の対象品は除外されます。計算方法はガイド「日本からアメリカへの輸送」で説明しています。

2025年の日米合意による15%の関税は今も適用されますか?

一般的な15%の関税は適用されていません。この関税は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づくもので、2026年2月の米国最高裁の判断を受けて終了しました。自動車と自動車部品には2025年の合意に基づく通商拡大法232条の扱いがあるため、最新の布告を確認してください。

米国で販売するのに米国法人は必要ですか?

通常は必要ありません。多くの日本のブランドは、日本の会社のまま米国のバイヤーやアマゾンに販売し、日本の会社または米国のバイヤーが輸入者(IOR)になっています。外国の輸入者に関する規則は厳しくなる方向で、大統領令14411号が新たな制限を指示していますが、2026年10月時点ではまだ施行されていないため、最新の規則を確認してください。税務、契約、銀行取引の面で、のちに米国法人が役立つこともあります。これは税理士や弁護士に相談すべき問題です。

日本の認証や届出は米国でも通用しますか?

一般にそのままでは通用しません。技適マークやPSEマーク、日本の化粧品や食品の届出は、米国の規則の代わりにはなりません。米国の基準を対象とした試験報告書は再利用できることがありますが、米国での登録、認証、表示の手続きは別に必要です。

日本のブランドはどの販路から始めるべきですか?

商品と利益率によります。アマゾンは消費者にすぐ届き、小売やディストリビューターは数量を見込めますが流通の利益分が必要で、直販はデータと主導権を得られます。多くのブランドは1つの販路と米国の少量の在庫から始め、その後2つ目の販路を加えています。

日本から米国での販売を始めたいとお考えですか?

商品、想定している米国の販路、表示の準備状況をお知らせください。6時間以内に返信します。

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