海外ブランドのためのFDA化粧品規制(2026年版)
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FDAは、着色料を除き、化粧品を販売前に承認しません。求めているのは、各製品が正しく分類され、安全で、適切に表示されていることです。医薬品的な効能をうたう製品は、医薬品として規制されるためです。海外ブランドにとって実務上の作業は、すべてのSKUが化粧品か、医薬品か、その両方かを判断し、出荷の前にラベルと成分を正しく整えることです。
このガイドでは、米国で販売するために製品が満たすべきFDAの規則を解説します。その上に加わるMoCRA(2022年化粧品規制近代化法)の義務(登録、リスティング、有害事象)は、ここでは概要のみを取り上げ、詳しくは海外の美容ブランドのためのMoCRA対応で解説しています。商品の通関については米国へ化粧品を輸入する方法をご覧ください。
FDAによる化粧品の規制のしくみ
米国の制度は事後に働きます。化粧品とその成分にFDAの市販前承認は不要で、「着色料を除く」とされています(FDA、FDA Authority Over Cosmetics)。提出して結果を待つ承認申請の書類はありません。その代わり、安全で、正直に表示され、正しい法的区分にある製品を販売する責任はブランドにあり、そうでない製品に対して、FDAは市場や国境で措置をとることができます。
EU、韓国の食品医薬品安全処(MFDS)、サウジアラビアの食品医薬品庁(SFDA)に慣れたブランドにとって、これには両面があります。発売前の提出書類は少ない一方で、正しく対応できているとだれかが認めてくれるわけではありません。以下の問いには、自社で答えを出す必要があります。
化粧品か、医薬品か、その両方か
区分を決めるのは、意図する用途です(FDA、Is It a Cosmetic, a Drug, or Both?)。
- 化粧品は、清潔にする、美しくする、魅力を高める、または外見を変えるために体に使うものです。
- 医薬品は、病気の診断、治癒、緩和、治療、予防を目的とするもの、または体の構造や機能に影響を与えることを目的とするものです。
- 製品が両方に当たる場合もあり、その場合は両方の規則を満たす必要があります。FDAは例として、ふけ防止シャンプー、制汗デオドラント、紫外線防止をうたう保湿剤やメイクアップを挙げています。抗菌洗浄料やニキビ用洗浄料は、医薬品、またはその両方に当たるとしています。
FDAは、ラベルの表示、広告、ウェブサイトやオンラインのコンテンツ、消費者の受け止め方、よく知られた治療的用途を持つ成分から、意図する用途を判断します。FDAが製品を医薬品にするとしている表示には、髪の成長を回復させる、セルライトを減らす、静脈瘤を治療する、メラニンを増やす・減らす、細胞を再生するといったものがあります。精油製品では、「眠りを助ける」「筋肉の痛みを和らげる」も医薬品の効能表示です。
| 製品の表示 | 想定される区分 | その結果 |
|---|---|---|
| 「肌をうるおし、なめらかに見せる」 | 化粧品 | 化粧品の表示とMoCRA |
| 「SPF 30の毎日使う保湿剤」 | 化粧品かつOTC医薬品 | 日焼け止めのモノグラフ、Drug Facts、医薬品の登録とcGMP |
| 「ふけを抑える」 | 化粧品かつOTC医薬品 | 化粧品の規則に加えて医薬品の規則 |
| 「髪を再生する」「細胞を再生する」 | 医薬品 | その表示のままでは化粧品として販売できない |
| 「メラニンを減らして肌を明るくする」 | 医薬品 | FDAは、合法的に販売されているOTCの美白剤はないとしている |
海外ブランドが大きなトラブルを避けるための補足が2つあります。「コスメシューティカル」は米国では法的な意味を持ちません。また、本来の石けん(主に脂肪酸のアルカリ塩からなり、その成分で汚れを落とし、石けんとしてのみ販売するもの)を規制するのはFDAではなく消費者製品安全委員会(CPSC)で、保湿や消臭をうたう洗浄料は化粧品です。スキンケアの表示の境界については、米国でスキンケア製品を販売する方法で詳しく解説しています。
承認が必要なもの:着色料
市販前承認が必要なのは着色料だけで、「一般に安全と認められる(GRAS)」という近道もありません(FDA、Color Additives History)。
- 検定対象の着色料(合成有機染料、レーキ、顔料)は、販売前にFDAによるロットごとの検定を受ける必要があります。
- 検定免除の着色料は主にコチニール抽出物など植物や鉱物由来のもので、ロットごとの検定は不要ですが、許可された用途を含め、それぞれの掲載規則を満たす必要があります。
ソウル、イスタンブール、パリで許可されている色が、米国で、あるいは目の周りなど同じ用途で、自動的に許可されるわけではありません。着色料の違反はFDAの輸入警告の対象として明記されているため、生産の前に、すべてのSKUのすべての着色料を米国の掲載リストと照合してください。
特別なケースが1つあります。コールタール系の染毛剤は、ラベルに法定の注意書き(パッチテストを求め、まつ毛や眉毛への使用を警告するもの)があれば、不良品の規定の適用を受けません。
化粧品の表示の要件
主な規則は、公正包装表示法(Fair Packaging and Labeling Act)と21 CFR Part 701に定められています。
| 要素 | 規則 |
|---|---|
| 製品の名称 | 主表示面に、主な特徴として太字で。一般名、説明的な名称、創作名、またはイラスト |
| 内容量 | 主表示面の下部30%に。固形、半固形、粘性のある製品は重量、液体は液量。インチ・ポンド法とメートル法の両方で。最小の文字の大きさは1/16インチから、表示面の大きさに応じて大きくなる |
| 成分 | 配合量の多い順。1%以下の成分はその後に順不同で、その次に着色料。名称は21 CFR 701.3に従い、実務上はほとんどがINCI名。「fragrance(香料)」と「flavor(香味料)」は総称で記載できる |
| 名称と所在地 | 製造業者、包装業者、販売業者。記載した会社が製造していない場合は「Distributed by」などの文言を付ける |
| 有害事象の連絡先 | 米国の住所、米国の電話番号、または電子的な連絡先。2024年12月29日からMoCRAで義務化 |
| 警告表示 | 目立つように太字で、1/16インチ以上。エアゾールには「Contents under pressure. Do not puncture or incinerate.」(内容物は加圧されています。穴を開けたり焼却したりしないでください)の記載が必要 |
| 言語 | 必要な情報は英語で。他の言語を使う場合は、必要な情報をすべてその言語でも記載 |
表示面が12平方インチ未満の小さなパッケージでは、成分表示を1/32インチの文字で印刷するか、定められた表示条件のもとで添付の表示物に記載できます。原産国表示(「Made in Türkiye」)はFDAではなくCBPの規則ですが、同じデザインに入れておくべきものです。カリフォルニア州にはProp 65(プロポジション65)の警告表示や禁止成分など独自の規則があり、カリフォルニアの美容市場参入で解説しています。到着後に米国向けのシールを貼る必要がある場合は、アバンロのラベル貼付サービスが、お客様が承認したデザインどおりに貼付します。
不良品と不正表示
この2つの言葉は、FDAの主な執行の手段です。大まかに言えば、化粧品は、表示が何らかの点で虚偽や誤解を招くものである場合や、必要な表示の情報が欠けている場合に不正表示(misbranded)になります。また、たとえば通常の使用で有害になりうる物質を含む場合、不衛生な条件で製造または保管された場合、許可されていない着色料を含む場合には不良品(adulterated)になります。
水銀が具体的な例です。21 CFR 700.13では、水銀を含む化粧品は不良品とされます。例外は、避けられない微量として1 ppm未満の場合と、安全な代替品のない目の周りの製品に防腐剤として65 ppmまで使う場合です。FDAは、水銀を肌の漂白剤として使うことは正当化されないとしています。美白剤は全般にリスクの高い区分です。ハイドロキノンを使った美白剤は未承認の新薬であり、FDAは、合法的に販売されているOTCの美白製品はないとしています。
製品がOTC医薬品にも当たる場合
日焼け止め、SPF付きの保湿剤やメイクアップ、ふけ防止シャンプー、制汗剤、ニキビ治療薬は、米国ではOTC医薬品であり、多くは化粧品でもあります。その場合、別の、より重い義務が加わります。
- モノグラフ。CARES法(2020年3月27日)以降、OTCモノグラフは行政命令で改正されます。日焼け止めでは2026年に変更がありました。ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(bemotrizinol)が最大6%で追加され(2026年6月10日)、PABAとサリチル酸トロラミンが削除されました(2026年9月11日)。
- 医薬品の事業所の登録とリスティング。海外の事業所は医薬品を輸入する前に登録し、米国代理人を指定します。各医薬品には10桁または11桁のNDCが付きます。
- Drug Factsのラベル。見出しは決まっています。Active ingredient(s)(有効成分)、Purpose(効能分類)、Use(s)(効能)、Warnings(警告)、Directions(用法)、Other information(その他の情報)、Inactive ingredients(添加物)、Questions?(お問い合わせ)です。
- 医薬品のcGMP。21 CFR 210と211に基づき、工場が満たす必要があります。
- ユーザーフィー。2027会計年度のOTCモノグラフ医薬品の施設の手数料は$47,891、受託製造機関の手数料は$31,927です(官報(Federal Register))。
リスクの低い順序は、化粧品のSKUを先に発売し、米国の販路で手応えが得られてから、SPFなど医薬品にも当たる製品を加えることです。
MoCRAの概要
2022年化粧品規制近代化法(MoCRA)は、化粧品に新たな義務を加えました。施設登録(海外の施設も対象で、米国代理人が必要)、責任者による製品リスティング、15営業日以内の重篤な有害事象の報告、安全性の裏付けの記録、上で述べたラベルの連絡先です。登録とリスティングにFDAの手数料はかかりません。小規模事業者には限定的な免除があり、一部の規則はまだ策定中です。チェックリストを含めた全体は、海外の美容ブランドのためのMoCRA対応にまとめています。
捨てるべき思い込み
- 「FDA承認済み」「FDA登録製品」「FDA認証」。FDAは化粧品を承認せず、登録は承認ではありません。そうでないように受け取れる表示は、誤解を招くものとされるおそれがあります。
- 「FDAの証明書が必要」。化粧品にFDAの承認証明書はなく、民間の代理業者が販売する「登録証明書」はFDAの承認ではありません。
- 「小規模ブランドはFDAの規制を免除される」。MoCRAの免除は登録、リスティング、今後のGMP規則のみが対象で、目の粘膜に触れる製品、注射または体内に取り込む製品、外見を24時間以上変える製品には適用されません。表示、安全性、有害事象の義務は引き続き適用されます。
- 「自国市場での承認がそのまま通用する」。書類の準備には役立ちますが、米国での区分、着色料、表示の規則は、それぞれ別に確認する必要があります。
発売前のFDAチェックリスト
- ラベル、ウェブサイト、広告の表示をあわせて見て、すべてのSKUを化粧品、医薬品、その両方に分類します。
- すべての着色料を、米国の掲載リストと許可された用途に照らして確認します。
- 処方に、水銀などの制限物質や医薬品的な有効成分がないかを確認します。
- ラベルを作り直します。製品の名称、両方の単位系での内容量、INCI名の成分表示、名称と所在地、有害事象の報告を受ける米国の連絡先、警告表示、英語です。
- マーケティングの文章とソーシャルメディアを、パッケージの化粧品としての表示にそろえます。
- MoCRAに基づく登録とリスティング、または免除の根拠を記録したものを確認します。
- バイヤーやFDAに示せるよう、安全性の裏付けの記録を用意しておきます。
このリストが片づいたら、次の問いは商業面です。米国の小売店とその顧客は買ってくれるのか。アバンロの美容・パーソナルケアのプログラムは、3か月間、南カリフォルニアでその答えを出します。料金は1つのSKUを含めて$3,950、追加SKUは1つにつき$1,900で、25%の販売手数料はアバンロが生み出した売上にのみかかります。規制対応の準備状況の初期スクリーニングが含まれるため、ラベルや表示の明らかな不足は商品の出荷前に見つかり、米国のオフィス、営業担当者の採用、倉庫の賃貸を先に用意する必要もありません。専門家による規制面の業務は、必要な場合に別途お見積もりします。
このガイドは一般的な情報であり、法務や規制に関する助言ではありません。FDAの要件は製品ごとの処方、表示、意図する用途によって異なります。発売前に、資格のある米国の規制の専門家に確認してください。